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幕間の話



なんでこんな事をしたのか…



なんかすいません…



―・―・―

霞ヶ崎高校


「大変だ!赤井が第三体育館に閉じこもった!」


「なんだと!それじゃあ女子新体操部が始まらないじゃないか!ふざけるな!」


「お前ら!赤井を引きずり出すぞ!」


「「「「おう!」」」」


どうも、巴です。まこっちゃんが宝華学園に行って静かになるかと思ったけどそんな事は無く今日も騒がしいです。


しかも騒ぎの中心には嵐がいる事が多いです。…困ったものです。


「…また赤井君。」


「あ、純。そうみたいね。」


今教室内には女子生徒しかいないの。冒頭の会話でわかったとは思うけどみんな第三体育館に行っちゃった。


「しかし、うちのクラスの男子達の結束力はすごいわね。」


「…他のクラスも…。」


うん、訂正します。うちの学校の男子達の結束力はすごいわ。


ただ行動の元が女子新体操部っていうのは問題だと思うけど…


「天城さん、榊原さん。また赤井君が奇行に走っているのですけど。」


「あ、会長。ウチのクラスの馬鹿がどうもすいません。」


いつの間にやら会長が私の近くにやって来てた。


こんな事態だから来るだろうとは思ってたけど…。


「お~い、そこの生徒会長。今は授業中よ。」


そうなの。今はバリバリ授業中。しかも担当は優さん。


「申し訳ありません。あまりに授業が詰まらないので抜けて来てしまいました。それに男子達の大半が居なくなってしまい授業どころでは無いもので。」


あ~…会長のクラスも第三体育館に行っちゃったんだ。


「うちのクラスも男子が居なくなって授業どころじゃないし…それじゃあ体育館見に行く?」


教師自らボイコット宣言!?


「馬鹿達にお仕置きしなきゃいけないしね。はぁ…またチョーク頼まないと…。」


優さんのチョーク…凄いのよね…。投げたチョークは当たると粉末化するスピードだしダメージは表面だけじゃなくて内部まで来る…違うわね。内部を突き抜けてダメージが貫通するのよね。


男子達は何人生き残れるんだろう?まあ、私の知った事じゃあないけど。




さてさて、現在は第三体育館前。凄い人でいっぱいです。


「赤井!出てこい!」


「お前が閉じこもってると部活が始まらないんだ!」


「今なら間に合う!出て来い!」


確かな今なら間に合うのよね。授業中だから。


「2年C組の生徒は教室に戻りなさ~い。従わないとお仕置きするわよ~。」


普通の会話の声で呼びかける優さん。…そのボリュームじゃ聞こえないですよね?


「10秒以内に戻れば許してあげるわよ~。10…9…8…0。」


飛ばした!今確実に数字飛ばしたよ!


優さんの右手が素早く動いた。


「ぎゃ!」

「ごっ!」

「ぐぇ!」

「ぐぁ!」


体育館を囲む男子達の中から短い叫び声が聞こえたかと思ったら4人の男子がその場に崩れた。


「さて、チョークはまだまだあるわよ。うちのクラスの男子を殺って…やってもまだまだあまるくらいにね。」


優さん、ヤバいって!その笑顔怖すぎです!


「やべぇ!桂木先生だ!」


「逃げろ!保健室…いや、病院送りにさせられるぞ!」


男子達が第三体育館から一気に逃げていく。うん、やっぱ優さんはスゴいや。それはもう色んな意味で。


数分後には残ったのは私と優さんと会長と純の4人だけになった。


「さて、赤井君を説得しましょう。」


こんな状況でも平然と進められる会長はスゴいと思う。


「赤井君、部活動の妨げになります。直ぐに開けて下さい。」


「嵐君。あんたがそんな事してると私の評価にかかわるのよ。とっとと出て来なさい。」


なんだろう、会長と優さんの差は…。そういう事は思ってても言っちゃ行けないと思う。


二人の言葉は確実に嵐には聞こえてると思う。でも中からはなんの返事も無かった。


「無視するとはいい度胸ね。とにかくあけなさい!」


ガンッガンッ!


蹴ってる!体育館のドアを思いっきり蹴ってるよ!なんかドアが凹んできてるし!


そんな優さんを止める勇者が唐突に現れた。


「桂木先生、ここは僕に任せて貰えませんか?」


現れたのは生徒会副会長にして苦労人と噂の神城先輩。


「神城君、開けられるの?」


蹴ってた足を戻して神城先輩を見る優さん。


「任せて下さい。ある言葉を言えば開きますよ。」


ある言葉?『開けゴマ』とかかな?


神城先輩は体育館のドアの前に立ち、ドアを3、4回叩いた。そして…


「私だ。開けて下さい。」


そう嵐に向かって言った。


………い、今のがある言葉なのかな?まさかそんなんで…


ガラガラガラガラ…


開いた!ドアがあっさりと開いちゃったよ。


「神城先輩……。」


先輩を見た嵐は小刻みに震えたかと思うと座り込んで両手を床に着いた。


「…彼女が欲しいです…。」


「あきらめたらそこで試合終了ですよ。」


神城先輩が嵐の肩にそっと手を置いた。







その後嵐は優さんにフルボッコにされた事は言うまでも無いよね。


まさか某バスケ漫画みたいな事をするとは…神城先輩もノリがいい人なんだね。

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