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●オオガミ

 レジスタンスの隠れ家の会議室、オオガミに、イソルダ、アルジェ、オオミドウにモモ、欠けた中隊長の次のリーダたちと主要メンバー全員を集めた。

「任務ご苦労であった。君たちの働きのおかげでこれから最後の作戦へと移行する」

「おー」

 長い戦いも終わりが見えたという希望で皆から感嘆の声が上がった。

「決戦は週末。モモタマのサマー・フェスと同時にユートガルトの軍隊がシーモフサルトに進軍する。それと同時にレジスタンスも決起する。君たちは思う存分闘え」

 なんとも奇想天外な作戦だ。

「私たちは演奏するだけでいいんですか?」

 モモが不思議に思い聞いてみた。

「君たちのスキルを活かしてみんなを鼓舞してくれたらいい」

 モモとタマモの妖狐族に伝わるスキル、マインドコントロールだ。さすがに何万人もの精神を操ることはできないが、心の根底に国を取り戻すという気持ちを強く思わせるだけで戦いが優位に傾く。

「さあ、できる限りのごちそうを用意した。呑んでで食ってくれ」

 集まった人数が13人なのが気になる。最後の晩餐になってしまわないか少し気になった。諜報部の二人を手招きした。作戦に至るための最後の案件だ。


「ミス・ペティ―、テンコの居場所をそれまでに特定してくれ。これは易で探ったやつの居場所だ三カ所まで絞り込んだ。至急だ」

 命令を聞きぺティーとQは晩餐を抜けていった。


 歩きながら二人は相談する。

「ペティどうする。諜報部のメンバーを三カ所に振り分けるには人手が心許ないぞ」

「そうね、Qに参加してもらっても二か所が目いっぱいかな」

 すると後ろから声が

「俺も手伝うぞ。わかってるだろ俺のスキル、こういうことはお任せだ。キグナスのことで晩餐会なんて気分じゃないからな」

「私たちも手伝いますよ」

 イソルダ、アルジェも宴席を抜けてきた。

「ありがとう、心強いお願いするわ。部屋で打ち合わせしましょう」

 テンコ捜索チームが結成された。


「これを見てくれる」

 マップウインドウを展開してハルトの指定した三カ所をマーキングした。

「この山間部近くのここから一番離れた場所は、教団施設の兵舎だけど、前の調査では人っ子一人いなかったわ。ここは私と諜報部のメンバーで、ここは同じく教団施設の礼拝所、数名の教団僧侶がいたのだけど本部が壊滅したことで全員逃げ出したので諜報部で探ってみるわ。最後のこの場所、シーモフサルト兵の兵舎だけど、閣下の結界のおかげで兵隊が補充されずに取り残された場所なの」

「そこが怪しそうだな。俺の感が伝えてくる」

「Qとあなたとイソルダ、アルジェでお願いできるかしら」

「この三人がいれば、安心だ。手荒なことは僕は苦手なもんで」

 恥ずかしそうにQが言った。

「じゃあ今から分かれて近くまで行って調べましょう」

「皆さんこの通信ガジェットをお忘れなく。新機能も追加してあります」

 Qはそれぞれに自慢のガジェットを手渡した。


 オオガミはハルトと二人だけでアジトの屋上にいた。

 夜空を見上げたオオガミは

「ちょうどダブルフルムーンだな。フェスの日は」

「もちろんそれはお前の力が重要だからなこの作戦には」

「あと少しでこの呪いから抜け出せるのかな」

「どうだろう。俺を助けて使命を果たすと死ねる体になるんだろ呪いが解けて」

「そのはずだ古い記憶だが心に刻まれている」

「何をしたらそんな呪いをかけられるんだ」

「そこが思い出せない。ハルトと一緒になって初めて仲間を持ったんだ。何百年もの間、一匹狼でこれほど他人とかかわることがなかった。タマモにイソルダ、アルジェ、もちろんハルトお前も家族のよう感じるようになって、時折、俺にも昔、家族がいたんじゃないかと思えてきたんだ」

「それがツクヨミとかいう女性じゃないのか」

「まさかな。いやそうなのか?アーカムスやアオナ、キグナスと仲間の死に直面したときツクヨミの悲しそうな顔が浮かぶんだ」

「そんな記憶が戻ってきたってことは呪いも解けかっかているんじゃないか」

「決戦の日は体がちぎれても戦い抜いてやる。ハルトの使命を果たしてやるさ」

 ハルトは本当にそれが使命なのか疑問が浮かんでいたのであった。

「死なない程度にな」

 ハルトが笑った。

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