▽宴席の始まり
晴明は厨房からタウロを引っ張り出すと
「昔からの仲間、最強の料理人が戻ってきました」
と紹介すると晴人とタマモは盛大な拍手を送って場を盛り上げる。晴明のテンションは異常なほどに上がっていた。それは十数年ぶりにタウロの料理を食べることができるからなのだ。その昔平安の時代に突然転移した時にもタウロの料理によって苦難を乗り越えることができたからだ。
「ひなたたちにも彼の料理を食べてもらいたかったんだ。人類の未来を切り開く戦いを選ばされた君たちのためにタウロの作る料理が必要なんだ」
「それは食いしん坊の晴明だけじゃないのか」
槌熊が揶揄するが天鼓は
「それは科学的にも実証できてますよ。なんてね。タウロの能力は数値化された味覚情報を如何なる場合も最適化するチートなスキルがあることは私の研究によって確認できて言います」
「何言ってるだかわからないだが褒めてもらえて嬉しいだ。料理の説明は新しい弟子のアカネとアオイに任せただ。なんでも聞いてやってくれ出す」
アカネとアオイが前に出ると喜多屋はヴァイオリンを引きファンファーレを口ずさんでいた。




