▽タウロ再び
天鼓の案内した格納庫はオーディンの馬が部屋いっぱいに置かれてあったのだ。
オーディンの馬とは世界樹で作られた木偶で念じるままに動くからくり人形なのだが晴人のアイデアでメダルに変えられたものを具現化することもできるのだが、晴明が使ったメダルはタウロのメダルであった。
「坊ちゃんどうしたんだすか。刺青までしてファンキーだすな」
黄泉津の呪祖によって緊急措置の神獣との融合姿にタウロは驚いていた。
「最後に召喚してから十五年経っているんだよタウロ」
「フグを捌いてから十五年も過ぎているずらか。どうりでなんだか肩が凝っているだすよ」
「オーディンの馬を失くしてしまい仕方なかったんだ。今夜は再会の宴会だよ準備を頼むよ」
「それよりここはどこだすか?それでそこのお方は天鼓?だすか」
「そうだよ。ここは私の新しい家になる飛行船レヴィアタンだ。私も君の料理が食べたかったんだ。晴明と仲直りができた記念に」
天鼓はチラリと晴明を見た。
「喧嘩してたんだすか、それはいけないだすな。おらもミーノと仲違いしていた時は最悪だったずらよ。で何が食べたいだすか。何人くらい集まる宴席だすか」
晴明は頭に今いる人たちを思い浮かべ
「十数人さ。面倒はないだろ。親父やお袋もいる」
「晴人様やタマモまでそれなら導魔坊メニューでいくだすかな」
「懐かしいな。いいよそのアイデア、中華で行くのかな」
「そうだす。材料は坊ちゃんに言えばいいだすか」
タウロは早口で材料を晴明に告げると天鼓が
「タウロ、ここはヨルダンだよ。今言ったものはヨーロッパの宝蔵院グループで集めるよ。メインデッキについたらヤーシャを使いにだすから下準備はここの厨房を使ってくれ」
天鼓は船内の地図を投影すると食堂の場所を示した。
「タウロ、私と一緒に向かおう」
天鼓は
「それじゃ私はメインデッキでみんなに説明するよ」
「じゃあ後で」
晴明と天鼓は別れたのであった。




