▽解
「今まで以上に力が溢れてくるぜ!バスクルありがとうよ。これで本格的に復活だ」
槌熊は腕をぐるぐると回しバスクルに感謝を述べた。輝也と合流のためとはいえ自らの選択でメダル化してもらい本来ならばメダルのスペシャリストの晴海の手によって解消すべき計画がであった。しかし事態は思わぬ方向へ向かい喜多屋という若者の成長によって今に至っていたのだ。
「それで谺に少しは近づけたのかい」
槌熊は現状を輝也に問うが
「だめだ。どうしても防衛戦を突破できない。敵の数が多いだけではないと思うのですが・・・」
そこで晴明が口を開いた。
「何か攻略方法を間違えていたのかもしれない。槌熊さんがいなかったとは言え戦力的に決して無理じゃないはずなんだ」
バスクルが答えを出した。
「引き返しましょう、グリードのところへ押してもダメなら引いてみなと言うじゃないですか」
「俺も同意見だ。どうもおかしい仕切り直しだ」
「そうと決まれば晴明、一発大きな呪文で目眩しを頼むぜ。準備ができたら言ってくれ觔斗雲を用意するぜ」
晴明は洞窟を一人で跳び出すと天光束を唱え当たりを焼け払った・
「おっとこれまた派手な花火が打ちあげたな。何か展開があるのか」
上陸用舟艇のコックピットにいたグリードは突然の轟音に当たりを見た。こちらに向かってくる觔斗雲を見てエンジンをかけたのであった。
それと同時に開いていたハッチに槌熊たちは飛び込んできたのであった。
「お早いお帰りでそれでどういたしますか」
「欧州へ向かってくれ不妄の金戒鬼を追う」
「天鼓様から合流の命が出ておりますが」
「?何かあったようだな」
「レヴィアタンを手に入れられたようです。晴人様もいらっしゃるようです」
「わかったよ。相談したいこともあるし好都合だ。でどこに向かう」
「ヨルダン渓谷です」




