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▽未知なる旅への記憶

 レヴィアタンに近づけば近づくほどそれが生物であるとは信じることができないほどの様子であった。まるで豪華客船かと見間違えるほどであった。晴人と天鼓は喫水線(きっすいせん)あたりの乗車口に上陸用舟艇(しゅうてい)サンスベリアから乗り移り船内へと潜入していった。

 天鼓は辺りをジロジロと観察しながら思い起こすように歩いていた。晴人も感心しきりでそれに続いていた。

「これが本当に生物なのか?中に入るとますます疑問が湧いてくるな」

「サイボーグ手術をしたと考えていただければ納得できるのじゃないですか。30%〜20%は生身の部分を残していますから生物と言えば生物ですよね。それにフェルムには自我をありますから」

「フェルム?だれだそれ」

「レヴィアタンのメインコンピュータですよ」

「今からそいつと面談するわけだ」

 天鼓と晴人はエレベーターへと乗り込んだ。


 ひなたとアーロンもメインデッキへとなんとか辿り着け合流ができた。

「このでっかい鯨さんがヤジロウの演奏を聴いていついてきたって言うの本当」

 ひなたが言うとフェルムが

「ええそのとおりです。私の起動キーと合致したのでしょう。主人(あるじ)様が戻られたと思いました」

 アオイが気になり

主人(あるじ)様とはどのようなお方ですの」

「すべてのデータは消去いたしましたご命令で」

 エレベータが開き晴人と天鼓がちょうど入ってきた。

「データは消去しただって、どう言うことだ」

 天鼓が言葉尻を捉えて質問した。

主人(あるじ)様は敗北を悟り私の情報が漏れぬよう隠蔽されたのです」

「復元できないのか」

 かつての戦いを記したデータである。神々との戦いにおいて有益な情報だ。

「記憶ユニットを切り離し破棄いたしました」

「どこに、と言ってもわかるところでは破棄にならない」

「その通りです。記憶ユニットはこの世界以外とだけはわかります」

「天鼓くんそれじゃ仕方ないな諦めようか。ただどんな形かは記憶ユニットのあった場所を見にいってみようか」

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