表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
657/709

▽パキラ

「すごい!ジンベイザメみたいな形だ。あれも飛行艇なんですか」

 喜多屋はドーマハルト号のそばに止めてある上陸用舟艇(しゅうてい)を見て質問していた。ヤーシャも彼には興味を持ったのか

「黄泉津軍への上陸戦や揚陸任務時に兵員・車両といった上陸部隊を乗せて岸辺に接舷または直接乗り上げることで上陸させるための小型舟艇だ。晴明たちにも一台貸出している。乗ってみるか」

「えーいいんですか。晴人さんヤーシャさんのお言葉に甘えて見学してきてもいいですか」

「構わないぞ。俺はドーマハルト号をチェックして出航の準備をするから小一時間、ひなたたちも暇を潰しておいで」

 子供達を送り出すとタマモと飛行船へと移動していった。


「名古屋でお会いした時はすごく怖い人だなと思ってたんですけど。実は優しい方だったんですね」

 喜多屋の言う名古屋であった時とはベルデの研究所を襲撃した時のことである。※空気を凍らせるほど冷血な表情でタマモと対峙していた、浮かれ顔でヤーシャの後を追う喜多屋に小声でひなたは

「もう!油断しちゃダメよ。よく警戒してついてきなさいよね」

「そうよひなたの言う通りよく観察するのよヤジロウ」

「アカネもひなたもそう言うけど悪い人に見えないんだけどな。アーロンもそう思わない」

「そうだよな、スタイルは抜群だし美人で少し危険な香りがするところがたまらないよな」

「そうだぜ、ひなたちも見習えよクールビューティってやつをな」

 やれやれと言った顔つきのひなたたちであった。


 緑の迷彩を施された紡錘形でジンベイザメのような機体に乗り込み操縦席を解説するヤーシャ

「この上陸用舟艇(しゅうてい)はパキラっていう名の船よ。天が開発した反重量エンジンで空を飛ぶ、同乗者の魔力量で性能が左右されるの、このゲージによると今はマックスパワーが出せるわ。貴方たちの魔力量がすごいというわけね」

 興味津々で操縦席に座って喜多屋は

「僕にも運転できますか、ヤーシャさん」

「その操縦用のヘルメットを被ればブレインテックテクノロジーで思った通りに動かすことができるわ」

「すごいですね。天鼓さんってすごいんですね。こんな飛行機を簡単に作り出しちゃうなんて」

「そうよ天鼓様にかかれば不可能はないわ」

 操縦席のコンソールが激しく点滅した。ヤーシャが通信機をオンにすると

「謎の飛行物体がこちら方面に飛行中です。識別信号が出ていませんので黄泉津軍の可能性があります」

「乗りかかった船、いや乗ってる船です。ヤーシャさん行ってもいいですか」

 と喜多屋は言うとヘルメットを被ったのであった。


※☆ひなたの東海道中  エピソード『新ドーマハルト号』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング

↑「多くの方に読んでもらいたいです。勝手にランキングに参加していますので面白いと思ったらクリックしてもらえると嬉しく思います」

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ