▽ワーロック
船長室はワーロックがお宝だというゴミが散乱していた。久太郎と晴海とその息子宙が何の味かわからないお茶を勧められてことの経緯を聞かれていた。
「なるほどクラーケンかそりゃ命があっただけめっけもんだな。俺の船には魔除けの鐘があるからもう大丈夫だぜ。それであんた達ならわかるかな。この世界に何が起こってやがるんだ」
エンド・クエイクのことを聞いてきた。
「あなた達の世界と僕たちの世界が一つになったみたいなんです」
「それで潮の流れが変わったのか。見慣れない陸地があるのには驚いたぜ。それがあんた達の島なんだな」
「パパ、このおじさん熊みたいだよ。どうして?」
宙は初めて見る亜人種に興味を持った。
「パパやママが昔行った異世界の住人はみんな色々な種族がいるんだよ。ワーロックさんもその一人だよ」
「ふーん、かっこいいねおじさん」
ワーロックの背中に回り込むとよじ登ってあちこちを触りまわっていた・
「こら宙こっちにきなさい、すみませんほんとに」
「かまわないさ気にするな子供はなんでも興味を持つ方がいいぜ。俺の孫もこのくらいの年で可愛いもんだぜ。まあ月の半分は海の上だからなかなか会えないので嬉しいぜ孫といるみたいで」
楽しそうに宙をあやしている姿は幸福そうであった。
「ところでオワリトリアのことについて伺いたいことがあるんですが」
「なんだい治安はいいぜ。まあ人間族はあまりいねえから珍しがられるかもしれないな」
「ええそれは大丈夫です。うちには強力なボディガードがいますから」
晴海を見るが本人は子供にしか気がいっていなかったが
「ママがいるから平気だよ。強いんだぜうちのママは異世界獣なんて一撃だよ」
「もう宙たら、パパのお話遮っちゃダメよ。でも聞きたいのはヘイ・オン・ワイのことでしょ」
「ヘイ・オン・ワイ?知らねえな。なんのことだ」
秘密組織なので当たり前だ
「いえいえ冒険者ギルドのことです。今も活動は」
「ああギルドかゼペット爺さんは引退しているが活動は続けているぜ。俺も若い頃はブイブイ依頼を受けていたからな。そうだ人族とパティーを組んでよ」
「そうですか。僕も妻も登録はしてあるんですよ。日本に帰ろうにも先立つものが必要で依頼を受けようかと思ったんです」
「夫婦でか、おもしれな。俺ちのパティーの人族も夫婦連れだったな。遠いとこに娘を残してユートガルトを転々としていたな。これも何かの縁だな着いたらギルドまで送ってやるぜ」
「ありがとうございます。助けてもらった上色々と」
ワーロックがパティーを組んでいた相手は晴海の父と母であったのだが確かに不思議な縁で繋がった出会いであった。




