△青龍戦隊
「おーいみんな!これで修行は終了だ。ミシエルも色々ありがとう、外へのゲートを開いてくれ」
「パパ、ボクまだ呪文使えてないけどいいの」
ひなたは自らの課題の呪文の発動は結局叶わなかった。
「いいんだよ、ひなたはそれで十分だ。すごい体術に磨きがかかったじゃないか。パパが思うに晴明とどっこいどっこいなんだから誇っていいぞ」
「僕はどうなのかな旦那様、アオイは華麗な技と鋭い術ですごいんだよ」
「アカネのスピードは誰も追い付かないぞ。それに火力系の技は破壊力抜群だ。二人とも輝夜よりも戦闘力が高いよな」
晴人は輝夜の肩をだきアカネとアオイに向かってそう言った。
「そうですね。三人は見違えるほどの成長です。それに喜多屋に鬼無瀬も」
「輝夜でも僕はあんなすごい体術や呪文も使えないよ」
「それで十分だよ。ジローくんとリサさんは後方支援だ。あの子達を助けてやれよ」
「八雲先生、ありがとうございました。リサも自信になりました」
「僕から修行終了のお祝いをあげよう」
青龍ミシエルが右手を挙げ指を鳴らすと六人の左手首に光が灯った。
「ミシエルさん!この腕輪は?」
「僕の聖紋に気を込めて触ってごらん」
ひなたたちは腕輪の竜の紋章に触れると体中を光が包みほのかに青光る真っ黒なスーツが現れたのであった。
「うわ!変身だ!」
流線型でサイクリング用のヘルメットも装着されていた。それを見た晴人は
「いいじゃないか。青龍戦隊だな。でも少し物足りんな・・・輝夜ちょっと」
輝夜を呼び耳打ちをし出した。
「そんなアレンジありなのかな。無駄のように思うけど」
呪文を唱えると再び光に包まれスーツにそれぞれ異なる色のラインが入ったのであった。
「パパ、このイエローのライン気に入ったわ、アカネはレッド、アオイはブルー、ヤジロウはグリーンで輝夜はバイオレット、リサ先輩はシルバーで大人っぽいよ」
「でもボディーラインがしっかり見えてちょっと恥ずかしいですけど軽くて丈夫そうで動きやすい」
鬼無瀬は体操選手のように床運動を始めた。
「先輩お似合いです。一緒に写真撮りましょう」
喜多屋は嬉しそうにそのボディーラインをまじまじと眺め言った。
「よし俺が撮ってやる。六人でポーズを取るんだぞ」
晴人は携帯を構えるとポージングをあれこれと指図してシャッターを何枚も押した。
「やっぱり何か名乗ってポーズしたほうがいいかな」
「ジローくんわかっているなそのとおりだよ」
しかし女性陣からはあえなく却下された。
「まあいいか、でも後々考えておくようにな。気合いが入りそうだろ。ミシエル、外は今何時頃だ」
「昼前くらいだろう」
「それじゃ、帰って焼肉でも食べるぞ」
「ここにきてお肉ばっかりだよパパ、お寿司にしようよ」
自給自足の修行では狩りをした魔獣の肉料理の毎日であった。
「そうだな、魚はテンミニッツに頼んで調達してもらおう。ポーアイに宝蔵院グループの物流倉庫にあるだろう」
そして晴人達は龍宮を後にしたのだった。