△祖父のホルミダス
ドーマハルト号は今、アガルタを見据えその手前で停止していた。
「聞いてなかったぞ。アガルタが空に浮かんでいるなんてよ」
「こりゃすごい、海図通り進んだはずなんだがな」
軽足と晴人は今のアガルタを見て驚いていた。
「とりあえず上陸だ、ラルヴァンダードを目指してくれ、タマモを紹介したい人がいるんだ」
目的は一つ祖父晴三郎の転生体ヘミングに再開するためであった。
「楽しみよ事務室に飾ってあるおじいちゃんでしょ。晴人」
タマモも喜んでいた。
晴人は心弾ませワクワクとデッキの窓から下界を眺めていた。
「おーい、子供達の通信機の反応が出たぞ。先にそっちに向かうか晴人」
モニターに映し出されたアガルタの地図に反応地点が表示された。
「こんなところに街はなかったはずだがな。移動していないようだ。ラルヴァンダードに立ち寄っても遠回りじゃなさそうだ。このままでいい」
ドーマハルト号は高度を下げラルヴァンダードの街へと降下し出した。執行官のいるレストラン山猫軒のドアを開けると
「おーい久しぶりダルトン!ヘミングはどこだ」
大きな声で晴人は店の中へと入り言った。その声に主人ダルトンの妻マリアが現れた。
「あらまあ、また異世界からお客さん、主人が奥で休憩しているので呼んできますね」
「おう、今度は晴人じゃねいかいよく来たな。まあ座ってくれ一杯やろうじゃないか」
グラスと酒瓶片手にテーブルを薦めた。
「ヘミングはいないのかい」
「ああ、奴はホルミスダスだよ。今はあそこの執行官をしてもらっている。晴明もそれを聞いて向こうへ行ったぞ」
「そうか・・・邪魔して悪かった。また今度いっぱいやろうぜ」
と言い残し船へと戻っていってしまった。
「全く忙しない奴だな」
ダルトンは一人酒を飲み出していた。
ドーマハルト号は再び空へと舞い上がりホルミスダスへと向かっていった・
「ひなたちのことも聞いておいておけばよかったかな」
「そうよあなた、自分のことばっかり考えて、いっぱい位飲んでからでもよかったんじゃないの」
「タマモに人のことが言えるか、すぐに行動しないと気が済まないくせにまったく」
「まあまあ喧嘩しない、どうせお嬢ちゃんたちのいるところへ向かう途中じゃないかよ」
そしてまたドーマハルト号は高度を下げホルミスダスの街へと降下し出した。