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△旅の曲

 迎え入れられた客間は豪華な調度品で飾られ牢屋とは打って変わっての高待遇であった。

「まことに申し訳ありませんでした。師匠、ご勘弁を」

 ヨシュアは深々と頭を下げ息子の頭も押さえつけた。

「いやいいんだ。俺も何が何だかさっぱりわからないもんでな。ベールからここへ引っ越したんだな。エヴァとかアースラはどうしている」

 二人の母の名だ。

「お母様たちが亡くなった後、遺言で二人の生まれ故郷である地底都市アガルタへ移住を決めたのだ」

「それからこんな立派な宮殿を建てたのか、たいしたものだ」

「いえ、この宮殿は千数百年前より教団によってここアガルタに封印されていましたそうです。晴明がベルゼブブを倒してくれたおかげで封印が解け姿を現したのです」

「それで教団の命令に従って戦っていたわけなのか。奪われた故郷を取り戻すために」

「そう言うことですね。しかしそれがアルテミス様の怒りに触れ昼間は地上に出れなくなってしまったんです。二人によって歴史の全てを知った次第です」

「僕たちは事情をよく知らないんですが、よかったですね」

 喜多屋は同情し喜びを分ちあった。

「あなたは晴海の親戚なのよね。あの子はどうしているの晴明と仲良くやってるの?」

「それが二人は別れたようなんです。それに晴海姉ちゃんは今、別の土地にいるんです」

「まあそうなの残念ね。私たちはアーロンも生まれ幸せいっぱいなのに」

「そうだサマラ、これを覚えているか」

 輝也はつげ櫛をサマラに見せた。

「まあ懐かしいわ。私も今も大事に持っているのよ。あなた本当にカグヤなのね。昔から美人だけだったけど男になってもかっこいいのね。ところで肝心の晴明はどうしているのかしら」

「晴兄はまだ一人だよ。女王様にプレゼント送るなんて気があったのかな」

「私がね。でもこんなに素敵なヨシュアに会わせてくれてとても感謝しているわ」

 そう言ってヨシュアに抱きついたのだ。

「そうだ。私も大感謝している。それにこんな素晴らしい宮殿まで取り戻してくれた。ひなたは彼の妹なんだって、これから歓迎の宴を開きたいと思う。準備をするのでしばらくこの客までお待ちいただけるだろうか」

「ほんと!ありがとうございます」

「ではその時色々と話をしよう。オオガミ師匠にも今のアガルタを取り巻く状況などを」

「それは助かりる。エンド・クエイク後の異世界の情報はとっても貴重だ。俺のせいでどうなったのかを」

 オオガミはヨシュアに礼を言った。

「それでは後ほど」

 ドラゴノイドたちは部屋を出て行った。


「ねえ、ヤジロウ、お礼に演奏聞かせてやれば」

「いい考えですわ。ヤジロウさん私も聞きたいですわ」

 アオイはリュックからヴァイロインを取り出し喜多屋に渡した。

「それなら僕たちの旅の曲を演奏するよ。作曲してみたんだ。少し聞いてみる?」

 喜多屋は演奏を始めた。

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