△ひなたを追う飛行船
「よかったねオオガミさん、パパを待っていたの、一緒に帰りましょうか」
詳しい事情はひなたにはわかっていなかった。その呪いに似た不死の体の意味を
「もう帰ってしまうのか。ひなた、もっとあたりをうろつかないか、たとえば竜族の国とかよ」
「えーあのドラゴノイドの国へ行くの」
ひなたは東京から家に帰る途中、凶悪なドラゴノイドの襲撃を受け大苦戦したのであったが幸いなことに晴明に助けられたのだ。
「ドラゴノイドはベールにいるんじゃないか。これからガルト共和国に向かうっていうのか」
「オオガミ、今はここアガルタに国を構えているんだ。ヨシュアとサマラがな」
「あいつら仲良くやっているのかな」
「十数年前に天鼓の命でドラゴニアに行った時は元気そうにしてたぜ。サマラは赤ん坊を抱いていたな」
「ドラゴニアに同盟を結びに行った時ですね。しかしあなたはヨシュアに忠告をした。晴明と違う道になると」
「その話を覚えていたかカグヤ、あいつらには晴明の味方になってもらいたかったからな」
「どう言うことだ。天鼓は何をしようとしているんだ」
「世界征服と言っていたな。武力も辞せずに一つにしたいと・・・俺は忠告したがそれしか方法はないと頑固なやつだぜ」
オオガミはじっとその話を聞くと
「いくか!ドラゴニアへ」
一方晴人たちはナガクに辿り着いていた。ヘイ・オン・ワイ本部の屋敷に着いて飛行船から晴人とタマモが下船していると、入り口から女性が走ってきた。
「やはり晴人さんもこちらに来られたんですね」
「やはりと言うと娘たちもここへ」
「娘?晴明さんではないんですか」
「いやいい、ところで君は」
「あなた、Jよ。忘れたのすっかりスリムになって可愛くなったわね」
「タマモさんありがとうございます。結婚したんです」
「それはおめでとう。ところでZに話を聞けるかな」
「ええもちろん、どうぞお上がりください」
豪華な和風の屋敷の中へ進むと客間兼司令本部に通された。そこには当主が一人座っていた。
「あなたが当主!リリのお父さんですよね」
「ええ、お久しぶりです。その節はありがとうございました」
「ところでリリはこちらの世界に来ていたようですね晴明が会ったと言っていました」
「そうですか、父も娘もここを出ていってしまいましたからどうしているやら」
「何か複雑なご事情があるようですね。よければお話を聞かせてもらえませんか」
晴人は新しいZとなった。元飛行船技師に尋ねた。
「父はその記憶の継承を行わずに放浪の旅に出ました。娘は天鼓様の元へといってしまいました。そして私がついだ組織は天鼓様の指揮下に入ることとなりました」
晴人は驚いていた。ヘイ・オン・ワイはもともと黄泉津の作った組織だ。晴人の動向を探るためにその当主は初代から記憶の継承という儀式で代々受け継ぎいずれ黄泉津の復活の時報告すると言う妙な組織だ。
「つまり黄泉津とは手を切ったと言うことか、そりゃいいことだ俺も付き纏われずに済むって了見だ。ところで晴明もここへ来たようだがあいつはどこへいったんだ」
「晴明様はハルトの街へ向かいました。それからドラゴニアに向かうとおっしゃられていましたが」
「そうかわかった。ところで槌熊と五人の子供たちの情報はないが」
「五人の子供たち?娘さんたちですね。いえ、こちらにお越しとは知りませんでした」
「どうして娘のことを知っている」
ひなたが生まれたの異世界から戻った後だ。
「我々組織の役割は今はあなたたちの世界の情報収集です。数年前から調査をいたしておりましてその情報です」
「なんだ結局見られていたと言うことかよ」
「あなた、とりあえず晴ちゃんの追いましょう。その前にせっかくナガクに来たんだからおそば食べていきましょうよ」
「そうだな少し腹が減ったな。飛行繊維戻ったら団長と鬼無瀬を誘ってと行くか」
この親子は食べることに関してのパターンは同じであった。




