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△神々の降臨

「やっぱりお家の岩風呂は最高だなぁ。でもこれからどうしたらいいんだろう。家に帰っても学校もしばらく行けそうにないし、晴兄を追いかけることもできないし暇だな」

 ここ数日の出来事を考えると日常生活では物足らなくなっていたひなたである。ボーと何を考えるでもなく湯船に浸かっていると男湯の方で声がしてきた。


「さすが晴人の宿だな。この岩風呂もいい拵えをされてある。それに湯もいい」

「意外と風呂好きなんだな、槌熊(つちぐま)

「おうよ。昔っから体内の気が乱れると湯治(とうじ)で整えたものだ」

佛説温室(ぶっせつうんしつ)洗浴衆僧經(せんよくしゅそうきょ)という古代インドの仏教経典なんてものもありますよね」

「おお、輝也知ってるじゃないか。そうだぜ昔からいいもんだって言っているんだ。ところで槌熊(つちぐま)、タカアマーラという言葉を知っているな」

 タカアマーラとは古代、オオガミや黄泉津(よもつ)に自らが降臨するための体を作らせたもの達の存在だ。

「アガルタで一枚岩(モノリス)に触れた際に現れた黄泉津(よもつ)が言っていたよ。天井人を共に倒そうと」

「それに天鼓(てんこ)は従わなかったのか」

「いや、倒す方法をが違ったのだ。黄泉津(よもつ)はこの世界のすべて住人達を戦士に改造して魔族達を捨て駒に間も無く降臨するタカアマーラを倒そうとしていた」

「ちょっと待てよ。やがて降臨するだって!」

「さあ、天鼓ならわかるだろう。ヤーシャや俺は一枚岩(モノリス)の知識があまり深く根付かなかったからな。直接触れていたの天鼓だから」

 静かに話を聞いていた輝夜が

高天原の住人(タカアマーラ)、神々の降臨が始まるということは僕も予感していた。ベルゼブブを復活させようとしていたベゼル教の狙いだ」

「ちょっと整理させてくれ、ベゼル教はタカアマーラの味方で黄泉津は敵対する立場、それとは違う方法を取ろうとしている天鼓がいるということか」

「そういうところだが、天鼓は今、魔界の王となっている」

「魔界の王!魔王だって」

一枚岩(モノリス)の刺激があいつの秘められた本性を炙り出したんだ。あいつは魔王の転生者だ。魔界と呼ばれる場所の住人が元からの地球の先住民だった」

「先住民として侵略に抗う立場が天鼓なんだな。そういえば魔族達から妙に慕われていたな」

「異世界では魔族も人族も交流が進んでいますが地球の人類達だけが分断化の解消に乗り遅れています。それを促すことが天鼓の狙いかもしれませんね」

「輝夜の言うようであればいいんだが人類の敵の可能性は捨てきれんな。俺たちはどうすればいいんだろう」


「パパ!みんなで仲良くしようよ。ひなたも頑張るよ」

 突然湯の中からひなたが現れた。須久那坊(すくなぼう)の岩風呂の男湯と女湯は塀で分けられているが湯船の下は通り抜けできる隙間があったのだ。

「ひなた、びっくりするじゃないか。そうだな、敵対するだけが選択肢じゃないよな。歩み寄るその方針で行くか俺たちは、ところで輝夜もいるが恥ずかしくないのか」

「平気平気、慣れっこだもん」

 慣れっこ・・晴人は複雑な思いになるのであった。

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