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△新たなる当主

「やっぱりつけられているな。ピコーナ、画像を私に送ってくれ」

 晴明は店に入る前から何者かの視線に気がついていた。なるべく気配を消して大人しく街を散歩していたつもりであったのだがやはり人間族は目立つようだ。

 やがてピコーナから尾行者の映像が送られて来たのだがどこか見覚えがあると思えば、エイジェントJ(ジェイ)であった。彼女は龍族の王女と出会った際に協力をしてもらったエイジェントである。その頃は丸々と太っていたのだが今は見違えるほどスリムになっていた。晴明は瞬時に彼女の背後に回り込み方をポンポンと叩いた。

「キャ!!」

「驚かせてすまないJ(ジェイ)、どうして後をつけているんだい?声をかけてくれればいいのに」

「ごめんなさい、晴明かどうか確信が持てなかったもので、ずいぶん雰囲気が変わりましたね」

「そりゃもう少しで三十だよ。十五歳の少年とは違うよ。それよりも君も・・・」

「痩せたでしょ。ふふっ、結婚したのよ。可愛いウェディングドレスを着るためにダイエットしたの」

 薬指の指輪を見せ笑っていた。

「それはおめでとう。ところでゴランはまだ頭領なのかい?リリに少し前にあったんだが複雑な事情がありそうだったんだけど」

 J(ジェイ)の顔色が一瞬曇ったが

「数年前に引退をしてリリの父が今のZ(ゼット)よ。ここの本部にいるわ。お会いになる?」

「あの飛行船の技師をしていた人か、ぜひ合わせてくれないか。色々と情報が欲しい」

 新しいZ(ゼット)は巻角を持つ魔族との混血である。顔は宝蔵院とよく似ていて晴明は親近感があった。


 晴明とJ(ジェイ)は純和風の平屋の豪邸に入って行った。応接室に入ると

「こちらでお待ちいただけますか、今当主を呼んでまいります」

 壁に掛かったゼペット・ゴランの肖像画を見つめ新しい当主を待っていると

「お待たせしました。お久しぶり十五年振りですね晴明さん、いい男振りに成りましたね」

 握手と共に挨拶を交わした。

Z(ゼット)さん、まさかお父さんが継がれるとは思いもよらなかったです。エンジニアは引退されたのですか」

「いえいえそれはまだまだ現役で当主は次いでですよ。想定通り大変な事態になりましたな。あなた方の国は大きな地震が起こったとかで大変だったでしょう」

「わかるんですか。こちらの被害がどうなっているか」

「実は天鼓様から情報はいただいております」

「この組織は天鼓と繋がりを持っているんですか。どうして」

黄泉津(よもつ)との戦いのため、天鼓様から協力を依頼されておりましたのでヘイ・オン・ワイは天鼓軍の指揮下になりました」

 驚愕の事実を知る晴明であった。

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