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△世界の動き

 バイクで戻った二人は早速大天空露天風呂へと向かっていった。

「みんなに報告しなくてもいいのかな」

 喜多屋は何も告げずに出ていってしまったことを気にしていたが

「そんな心配はいらないよ。そうだろ」

 晴明は誰かに向かって話しかけると

「ええ晴明様、皆様はご存知になられていまして、すでにお休みです」

「えっ?誰ですか?」

 あたりをキョロキョロとする喜多屋だが

「私はドーマハルト号のAIです。Q(キュウ)と呼んでいただければご対応します。喜多屋様」

「びっくりした。話聞いてたんですか」

「はい、船内ではどのようなご要望にもお応えできるようにモニターさせていただいております。内密のお話をする場合はおっしゃっていただければご配慮いたします」

 喜多屋はAIとの会話に気を取られている間に晴明は服を脱いで先に風呂に入っていった。

「ジロー君も早くこいよ]

「はーい」

 急いで服を脱ぐと掛け湯をして晴明の横へと座った。

「この船は生きているみたいですね」

「そうだな。メインコンピュータ自体はバイオ培養された生体組織で構成されていて自己増殖に修復機能までできるしな。生物といってもいいくらいだな。ベルデを見ただろ彼も同じだよ」

「Qも恋はするのかな」

「それはどうかな」

「現時点ではまだそのような経験はしていませんが喜多屋様、ご教授いただけますか。恋という概念を」

「無理無理、僕だってわからないもん」

「アオイに対する気持ちを話してやればどうだい」

「恥ずかしいよ。ただアオイが嬉しそうにしているのを見ているだけで胸がドキドキしちゃうんだ。ひな兄はどうなの今は好きな人いるの」

「参ったな、そうくるか。実は僕は昔から愛したり恋したりする概念が乏しい男だからおかげで三十を前に一人っきりだもんな」

「ええ、かっこよくてモテると思うんだけどなぁ。そんなものかな」

「ジロー君もひなたとアオイにモテてるじゃないか」

「そうかな・・・」

「ええ、喜多屋様のバイオリンの演奏時、明らかにひなた様とアオイ様のアドレナリン値が上昇しておりました」

「そんなとこまで観察しているのかよ。あんまり冷やかさないでくれる。なんでもわかるんだね。そうだ!ところでばあちゃんのところ行ったらまだ水道にガスに電気と止まったままなんだけどQ、どうにかならないの?」

「それはベルデ様たち宝蔵院グループが対応中です。三日以内に生活インフラは復旧するでしょう」

「政府じゃなくて?」

「そうだよジロー君、宝蔵院グループの資産は全世界の八割を占めているんだよ。残り二割のほんの十数名の資産家がいるくらいでベルデたち三人の力は大きな復興のファクターだ」

「凄いんだね。僕にあんな高価な楽器をポンとくれる訳がわかったよ。世界の支配者だね」

「そうか・・・ベルデたちのオリジナル、天鼓(てんこ)は世界を支配すると言っていたがすでにそれは実行されたということか」

 晴明は黙って目を閉じてしまった。

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