△お鍋の準備
ベルデが案内した会議室の椅子は槌熊には小さすぎ机の上にあぐらを組んで座っていた。壁の大画面のモニターには晴人が呼び出されていた。
「挨拶は省かせてもらうさっそくだが槌熊、世界樹山で触れた石版のメッセージを教えてもらえるだろうか」
「ちょっと待ってください晴人さん」
「なんだね輝也、聞いてはいけない質問なのか」
喜多屋と鬼無瀬に向かうと
「二人はすまないが鍋の準備でも手伝ってくれないか、ここから先は聞いてはいけない」
厳しい顔で言った。その迫力に
「わ、わかったよ輝也、待ってるよ。早く来ないと蟹なくなっちゃうぜ。行きましょうリサ先輩」
と言って部屋を出て行った。
「聞きたかったな。リサ先輩もそうでしょ。輝也がすごい剣幕だったから仕方ないか」
「きっとこの戦いの根幹にかかわることなのよ。あの人たちは私たちを巻込みたくないのでしょう」
「でも半分足を突っ込んじゃっているよ。何か手伝えないかな」
「私たちは私たちで手伝えることをしましょう」
「それは何だろうな」
ぶつぶつと喜多屋はつぶやきながら飛行船へ戻っていった。
「ジローさん、お帰りなさい。あれっ皆様は」
「まだ会議中だよ。それよりアオイ、三枚のメダル全部召還できたんだぜ」
「また気絶してたんじゃないのかよ」
あらかた鍋の準備を整えていたお茶を飲んでいたアオイとアカネであった。
「ひな兄がMPをこうやって充填してくれたからできたんだ」
とアオイの背中に手を当てる喜多屋
「あっ・」
「色っぽい声出すなよアオイ、またヤジロウが興奮しちゃうぞ」
「違うの晴兄様の気が流れ込んできたの、ちょっとヤジロウさんのも感じた」
「晴兄の気だって!ヤジロウ僕にもそれしてよ」
「これでいい、変なの」
アカネの背中に触れると
「うっ・ほんとだ。気持ちが癒される~」
「なに二人とも変な声出して、何してたの」
ひなたがカセットコンロを二つ運んできてその話を聞くと
「ボクにもやってみてよ。ヤジロウ」
「もう出ないかもしれないよ。じゃあ後ろを向いて」
今度は両手をあててはみたが
「??何も感じないな」
「じゃ前を向いて」
「バカ!何を変な手つきしてるのよ!あんたに触らせるおっぱいはないよ」
「少ししかないじゃん」
喜多屋は思いっきりお尻を蹴り上げられていた。
「もうジローちゃん、あんまりふざけちゃアオイに嫌われるよ。こっちについてきて酒蔵からお酒持ってこなくっちゃ」
喜多屋は陽子の後ろについて行った。
「リサ先輩、輝也も戻ってきてないけど、どんなこと話してるの」
ひなたは輝也と兄の話の内容が気になっていた。
「秘密会議なの私たちの測りしえないお話、気にしちゃだめよ」
「それじゃ三枚のメダルのお話、その三匹はどうしたの」
「会議中」
「えっあのお猿さんしゃべれるの」
「三匹揃って召還すると合体させることができて、ほらあの昔話で出てきた槌熊になったの」
「槌熊さんも蟹食べるかな」
「さあ?」




