△その記憶待って
「歴史のことはよくわからないけどオオガミっちはどうだったの、無愛想なやつだったでしょ」
「ママそんなことなかったよ。ボクがハルアキの妹だって言うと驚いていたけどすっごく喜んでいたよ。でも戦っている時はあれは鬼神って言うんだっけ怖い位すごかったな」
「そうそう、ドラゴノイド倒したときの晴兄さんもすごかったけどね、オオガミさんはチートなくらい敵なしだったよ」
「そらそうさ、私の大師匠だからな。それより続きを聞かせてくれよ」
「えーと・・どこまで話したんだっけ、そうそう銀羽教には早雲斎と法蓮坊という幹部がいて民衆に小牧の城にいる城主がこの貧困の原因だと言って一揆を計画していたんだ」
「小牧城主か・・・織田信長の城じゃなかったかな?」
「その通りだ晴明、信長を狙っていたのか」
「ひなたのお父さん、正解です。その計画は事前に僕たちで阻止できたんですが、そうだもう一人助けてくれている人がいたんですよ。とってもきれいなカゲロウさんというくノ一の協力もありました」
「おーそれはいい展開だな。すると巨大怪獣なんて襲ってこなかったか、いやさすがにそれはないか」
「晴兄、いい勘してるね。あいつらが本尊にしている大仏が動き出して僕たちに襲いかかってきたんだ」
晴明は子供のような顔でひなたを見つめていた。
「水無瀬家のライブラリーを調べましたら、該当する人物がいました。水無瀬弥次郎ですが家系図を見るとひなと結婚して鬼無瀬の名を秀吉から授かり陰陽師としてそれ以降の幕府に仕えたと、つまりリサさんのご先祖様ということですね」
「本当ですかベルデさん、それで我が家には鬼を使役する秘伝が伝わったんですね。でも錫杖なんてありませんけど?」
「おそらく本家水無瀬家に弥次郎は返したんじゃないですか」
「よかったあの二人は幸せにそのあと暮らしたんだ。それで僕たちは金さんと銀さんという百を超えるような双子の巫女さんと出逢って二人の妖術でこの時代に戻れたんです」
「金さん銀さんだって親父もしかして」
「そうだな。そんな可能性もあるな」
「お二人とも何か心当たりがあるんですか興味深い教えてください」
「ベルデ、それは今は言えないな。かもしれんというだけだから」
二人が想像していたのはアオイとアカネのことであった。戦国期に生まれ変わった姉妹ではないかという想像だ。
「晴兄、実は記憶が消えて言っているんだ。ヤジロウが言ったように金さん銀さんに助けてもらったのは事実だけどこうして現代に戻れてから夢のような気がしてなんだか記憶がぼやけだしているんだよ」
「僕も残念だけどこうしている今もこうしているうちにどんどん忘れているよ」
ひなたとヤジロウは戦国時代のことが記憶から消えていっていたのだ。
「だめだよ早くオオガミの忍者話もっと聞かせてよひなた」
「晴明、あきらめろそれよりも無事このこの子たちが戻れたことを感謝しろ」
「そうよ、晴ちゃん、ひなおかえり」
陽子はギュッとひなたを抱きしめた。




