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△異世界からの来客

 令和の時代、夏は異常な暑さだと毎年、誰もが口をそろえてそう挨拶の如く言うようになった。しかしやがて、こんなものだと気にもかけなくなり地球温暖化という言葉すら使われなくなりそれが日常となっていた。ところがこの年は逆に人々は異変だと騒ぎ出す冷夏であった。いよいよ氷河期が始まるのではと言い出す始末だ。冷夏と言っても何の事はない昭和の頃では普通の気候である。今はそれを異常気候と騒いでいた。そんな八月の満月、スーパームーンとても大きな月が蒼天の空に輝いていた。今節の満月についてまわる地震も今宵はなぜか起こらなかった。それも人々を不安にする要因でもあった。異常と普通が入れ替わる人々の常識、そんなバカげた者たちの常識を覆すことが起ころうとしていたのだ誰も気が付かないうちに、いや知る者たちもいたが。


「おかしいですね。ムーンクエイクが起こらないなんて」

  新たな異界獣の分析結果をレポートし終え満月を見つめるロッソだった。

「天ロッソ、異世界ゲートから変な音がしているぞ」

 軽足団十郎がクールダウンしているロッソのところにやってきた。

「それは興味深いですね。フーさんも呼んで確かめて見ましょう」

 荒事が起こる可能性に備えてこの研究所の最大戦力を同伴させた。

 十五年前からこの研究所に設置された異世界への扉はどういうわけか閉じたきりであった。それが突然稼働しだした。三人の見守る中、異世界へのトンネルから一人の見知らぬ少年があらわれたのであった。

「君は誰でしょうかね。攻撃を始めるなら即座に撃退する用意はできていますよ。答えなさい」

 ロッソの脅しにも似た問いかけに少年は両手を上げ。

「論外だ。攻撃する気も危害を加えることもない。ただいまを言いに来ただけだ」

 ロッソの目の間に現れた少年はウインクをした。直ちにロッソは少年の分析にかかった。生態バイタル、姿かたちを自らに蓄積されたデータと照合したのだ。

「ただいまと言いに来たようだが、私の知る人物に照合するデータはない。説明してもらえるだろうか」

 少年は椅子に腰かけると

「私はカグヤと言えばお分かりいただけるだろうか。天鼓の姿をする貴方に」

「カグヤと言えばあのカグヤか?あのお嬢ちゃんの」

 軽足は鼻が当たるほど近寄ってじろじろと見たのだった。

「照合できました。確かに顔認証すると近い確率での類似点を発見できました。触ってもよろしいですか。デオキシリボ核酸を採取させてください」

 カグヤと名のる少年の腕を掴むロッソはすぐに

「どうやらおっしゃっていることは本当ですね。ただし染色体がXYに変化しているところは違いますがどういう事でしょう」

「ロストナンバーとされたこのクローン体が最後のもので規格外品、イレギュラーなクローン体だからだ」

「納得いくお答え、それでどうし今ここに」

「晴明たちを手伝いに来たそれだけだ」

「立ち話もなんですね。コーヒーを飲みながらお話ししましょう」

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