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◆釣果

 大ヒクイドリは木々の木漏れ日が漏れる静かな湖畔にたどり着つくと晴人は大きく伸びをして

「いい眺めだ、空気もいいしこんなリゾート地は地上でもそうお目にかかれないな」

 バッグからスキットルを出してスコッチを口に含み桟橋に進んでいくと釣の準備を始めた。湖面に向かって竿を投げ入れリールを巻き上げるといきなりヒットした。

「おっと幸先(さいさき)がいいじゃないか」

 巻き上げる感触に程よい重みを感じた。30センチほどのブラックバスに似た魚を釣り上げた。

 そうして湖と向き合った晴人は時間(とき)を忘れていた。


「さあかなり連れたな。そろそろ帰るか」

 小物はリリースして型のいい魚を十数匹魚籠に収めていた。大ヒクイドリにまたがるとラルヴァンダードへ寄り道をしながらゆっくりと帰っていった。


「ようどうだった楽しめたか、坊主で帰ってきたとかじゃないだろうな」

「調理をしてくれるか手伝ってもいいぜ。これでも魚を捌くことは特訓したからな」

 魚籠をダルトンに渡した。

「大口魚か、淡白な味だが美味い味付けのレシピがあるから任せておきな。すぐ夕飯にするからそこに座っていな」

 ダルトンは厨房に入っていった。


「晴人っていうのね。私はマリア、ダルトンの女房だよ」

 机に向かいビールを呑む晴人に声をかける女がいた。

「それはよろしく世話になっている」

「あんたの連れの様子は私が見ているんだけど相変わらず静かに眠ったままだよ」

 晴人は天鼓たちのことを忘れていた。気晴らしの効果なのであろうかひととき悩み事を忘れていた。

「ありがとう、あとで顔を見に行くから案内してくれ」

 しばらくマリアからもこの地方の見どころについて話を聞いているとダルトンが料理を持って戻ってきた。

「ほうアクアパッツアか、白ワインが合いそうだな」

 アクアパッツアは魚介類をトマトとオリーブオイルなどとともに煮込んだナポリ料理である。

「マリア、あれを出してやってくれ」

 グラスとワインを持ったマリアがテーブルにそれを置いた。

「あいつらの目覚めに乾杯と行こうか」

 グラスを合わせ料理を楽しんだ。

「地上からの観光客も増えているんだろ。ここはいいリゾート地だ。どんな感じだ」

 温泉旅館の親父に戻っていた。

「今日は客はいないが数人には訪れるようになったが一泊して次の町へ向かって行くな。物珍しんだろうこの地底世界が」

「もっとここに滞在してもらえそうなコンテンツがいっぱいあるのにおしいな。帰る途中見たがヘラジカとかいるじゃないか鴨やその他ジビエの狩りを楽しむツアーなんていいぞ」

「アイデアマンだな晴人は参考にさせてもらうよ」

 三人は夜更けまで呑み明かしたのであった。

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