◆再びヨモツ大迷宮へ
オオガミの救出を断念し気を落とした晴人たち全員マナーコ城まで戻ってきた。城の会議室では晴人が頭を抱えていた。
「どうしてこんなことになってしまったんだ。アスタロトたちネオ・ベゼル教団を倒す為この世界へ来たはずなのに、オオガミを拉致されてしまうなんて、どこで間違えたんだ」
晴明と宝蔵院は何かを話し合っていた。
「父さん、天鼓が言うには僕たちがここに来るのも黄泉津の計画の一部だったんじゃないかというんだ」
「黄泉津が描いている最終的な目的はまだ解明できていませんが稷兎、オオガミ氏、卑弥呼、カグヤそしてハクトダルヌ、白兎、僕たちが知る過去のタカアマーラに関わる人物たちが揃ったことが因果律の再構成が行われようとしていることは確かです」
「それに世界樹だな、よし俺がもう一度ヨモツ大迷宮へ向い、あの木を問い詰める。謎の解明のために」
「僕も行くよ」
「晴明は帰れ俺に任せておけ、天鼓、君はついてきてくれ。俺の頭が追いつかなくなったときは君に任せる」
「わかりました。つちぐまさんにも同行願いましょう」
「どうしてだ」
「移動手段ですよ。ここから迷宮へ向い地底世界で世界樹の山に登るために觔斗雲が必要でしょ」
「晴人、運転手してやるぜ。運賃はただでいいぞ」
「そうと決まればさっそく行くぞ」
晴人はつちぐまと宝蔵院と外へ飛び出して行った。晴明は追いかけようとするがヤーシャが止めた。
「今はオーディンの馬がない、それでは足手まといになるだけだ」
がっくりと肩を落とす晴明だった。