◆黄泉津の目的
オオガミの連れ去られてた床を叩く晴明
「ちくしょう!どうすればオオガミを助け出せるんだ。天鼓」
宝蔵院はあちこちにある書類という書類を丹念に調べている。
「ねえ、心配じゃないのオオガミさんが」
「晴明彼は彼なりの方法で糸口を探しているんだよ。そんなことを言っちゃいけない」
晴明の肩に手をやり落ち好かせていた。気が付くとヤーシャがいない。
「つちぐま、ハクトダルヌは黄泉津の仲間だったのか」
首を振るつちぐま
「俺にはハクトダルヌ様が何を考えてられるのかはわからないし、黄泉津のことも知らなかった。正直驚いている。オオガミを救出することは協力する。俺はこっち側の人間だ」
ぎゅっと握られたこぶしは怒りをにじませているかのようだった。
ヤーシャが戻ってくると宝蔵院に予備のタブレットを渡した。
「ありがとう、これで通信ができる」
「オオガミさんに連絡が取れるの」
「いや、やつらは僕のパソコンを巻込んで下に移動しているんだ。天ミニを起動して状況を調査するんだ」
偶然とはいえラッキーな出来事であった。
「しかし十五年後とはどういうことだ。何故そんなことを言ったんだ」
晴人は黄泉津の最後の言葉が気になっていた。宝蔵院は書類を調べた結果を晴人に伝える。
「このキビツ文書と呼ばれたものはハクトダルヌの書いたものだと思います。黄泉津の行動と稷兎への思いが書かれていました。そして黄泉津の研究ですがどうやらこの世界と僕たちの世界をつなぐ方法を模索していたようです」
「俺たちの世界と繋ぐだと、どうしてそんなことを」
「こちらの世界に来た時にこちらの世界から開きかけの無数のゲートがあると見つけましたね。それを一気に開放するすべを見つけたようです。ここの地下にはそれをコントロールする施設があるようです」
「大変だよそんなことが起こったら、世界中がパニックになるよ。防がないと」
「天ミニのラインがオープンできました。これが画像です」
宝蔵院のタブレットにみんなが注目した。十字架のような拘束具にオオガミが無数の管を取り付けたれ目を閉じている。




