◆探索3
晴明ものぞき込もうと回り込むが漢字ばかりで書かれてあって全く読めない。
「ねえねえ何が書いてあるの、早く教えてよ」
「毎日でありませんがここへ来てからの研究の進捗状況が詳しく描かれてありますが肝心の研究についてはまだわからないですね。もう少し先を読みます」
パラパラと走り読みしながら頁を繰っていた。晴明は他になにかないか部屋を隅から隅まで調べ始めた。
「あっこれは貴重なものじゃない玉手箱みたいだよ」
浦島太郎の絵本に描かれてあるような漆塗りの小さな箱を見つけ出した。
「玉手箱ではなく玉櫛笥ですね。女性の小さなアクセサリーなどを入れる箱ですね」
「玉櫛笥?何が入っているんだろう。開けると煙が出てきて、うあぁ」
晴人が背中をタイミングよくたたいた。
「もう父さん、驚くじゃない。鑑定では危険はなさそうだから天鼓開けるね」
晴明は紐を解いて開けて見るが開かないのであった。
「あれ開かないぞ?」
箱を手に持ちぐるぐると周りをもう一度確かめてみると鍵穴があった。
「これってもしかして世界樹さんからもらった鍵を使う時かな」
アイテムボックスから取り出すと鍵穴に差し込むとカチリと音がして鍵が開く音が鳴った。晴明は気が付かなかったがその様子を鋭い目で見ているハクトダルヌがいた。
晴明の手から素早くその箱を奪い取り中を開けて何かを奪い取った。
「ハクトさん、何するの、早く返して見せてください」
「晴明、オーディンの馬を出して」
思いもしないことをハクトダルヌは晴明に言った。晴明は何の疑いもなくオーディンの馬を取り出した。
「晴明!だめだ、言うことを聞いちゃ」
晴人が急いで制したが後の祭りであった。
ハクトダルヌは握りしめた箱の中身をオーディンの馬に挿入したのだった。




