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◆それぞれの別れ

 翌朝、河豚鍋をたらふく食べた御堂(みどう)貴具(きぐ)、それに久遠(くえん)たち公務員は飛行船のゲートを通り宝蔵院の研究所に戻り、事件の報告をすべく舎利弗(とどろき)の待つ県警本部へと向かって行った。

 晴海も両親とともに祖父晴山(せいざん)の待つ満腹寺へと戻っていった。長い間留守ににしたお詫びのマナーコで買った饅頭を持って。リリも祖父ゴランの待つナガクへ両親と共に黒い飛行船で帰っていった。

「なんだかみんな帰って寂しくなっちゃったね。僕らもいったん帰って母さんに無事を伝えなくていいの」

 晴明はそう言ったが

「遺跡の調査が終わってからだよ」

「いいんだぞ。タマモが寂しがっているだろ、晴人たちはいったん帰ってまた後日でいいぞ探索は」

 オオガミはそう言うが

「こんなことはいっきにやってしまうのがいいだよ。エンディングはすぐ見たいだろ」

「僕はいったんゲームをセーブしたらゆっくり楽しむために一晩欲しいな」

「そうか?母さんと俺と違うな、二人ともすぐにエンディングを見たいタイプなのにな」

「晴明はお前たち夫婦の子にしてはできているんだよ。妙に落ち着いている」

「ふっのんびりしてるだけだろ。こいつは小さい頃から尻を叩いてもピンチにならないとその気を出さなかったからな」

 晴明は聞いていないふりをしていた。


「遺蹟探索チームは結局、俺と晴明、オオガミに天鼓とつちぐまとヤーシャにハクトダルヌの七人か。いい人数だな」

「七人パーティー、七人の侍だね」

「七人の侍か新開地の聚楽館(しゅうらくかん)でロードショウを見たな。面白い映画だった」

「オオガミも映画なんて見るのか、変わったな、まあそのくらい俗された方がいい、人生長いんだからな」

 オオガミは聞いていないようであったが晴明は頷いていた。

「そろそろ行くぞ」

 つちぐまとツキノワがワインセラーへと進みだした。


「本当にワインだらけだな。おっ!これはユートガルト時代のワインじゃないか」

 晴人はワインに興味が行ってしまっている。

「父さん、それは後でだよ」

 一番冷静な晴明は入口を探して辺りをうろうろと探っていた。

「この鍵をどこで使ううんだ?」

 晴人はゴランから授かったモノリスの鍵とあたりを見比べていた。

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