◆最終兵器2
「奴らは何をしたんだ。百花わかるか」
不可解な二人の行動に戸惑う永晴であった。
「私にはあの鎧に魂を差し出したように見えたけど」
「あの中にベルゼブブがいるのか」
「わからないけどとても強い力を感じる」
「そうとなれば究極変身だ」
ゴールドメダルを体に投じると七色の爆発とともにゴールド晴明に変身した。
「なんだか派手な登場の仕方だな。晴海から聞いていたがそれがアルティメット変身かい」
「その呼び名いいですね。今度から使わせてもらいます」
天叢雲剣で霞の構えを取った。
真魔の鎧は素手で晴明に向かってきた。紙一重でそのパンチを潜り抜けながら剣を打ち入れるが
「あれ?強くないんだけど無想閃光斬の太刀筋が見えてこないよ」
戸惑う晴明に百花が
「退いて晴明」
晴明が飛び退くと無数の火弾が鎧を襲うがすべて跳ね返された。
「呪文は無効ってことかどうやってダメージを与えりゃいいんだよ」
しかも永晴はロケットランチャーを打ち込むがわずかに後ろに下がっただけで無傷であった。しかも口部分が開くとエネルギー波を永晴に向かい打ちだした。
「あぶない!」
晴明が永晴を抱きかかえその攻撃をよけた。エネルギー波は壁を打ち抜き屋敷自体を貫いた。
「なんて威力だよ」
次の砲撃のためにまた口が開いた。
「これならどうだ」
しろたえのゆきをあるじす
あながちなり
せめてものこおりもてなす
氷結
鎧を氷漬けにする。
「いい考えよ」
百花は氷漬けの鎧に右手で触れ
すべての動きを凍土の如く
ことわりをとめよ
絶対零度
百花は自分の腕ごと鎧の動きを凍結させた。
「長くは持たないかもしれないけど何か考えなさい晴明」
「えっ」
その光景を見て一瞬思考が停止してしまったが、そこからフル回転し始めた。
「百花ママ、そこから離れてください。極大呪文を使いますから」
「いいのよ私ごと撃ちなさい。大丈夫だから」
それに面食らったのは晴海だ。
「だめ、打っちゃ!」
叫び声をあげた。




