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◆中学生たちはお勉強

 飛行船の中では宝蔵院が晴明、晴海二人と共に教科書の積まれた机を囲んでいた。

「少し反則かもしれませんが記憶系の教科については晴明のダウンロードで水無瀬さんは乗り越えてもらいます。記憶内容は僕から晴明に指示します」

「ダウンロード?」

「ああ直接脳にデータを書き込むんだよ。少しくらくらするけど簡単に覚えられるよ」

 横で見ていた久遠は

「便利だな、そんな方法があるなら大学受験も楽勝だよな。記憶系以外の教科についてはどうするんだい」

「中学の勉強なんてほぼ記憶の延長ですよ。自分で考えるのはそれをどう構築するかが課題なんです」

「つまり知識の応用力がポイントというわけが、でも英語はどうなんだい」

「僕はスキルで多機能(マルチ)翻訳(バイリンガル)が作動してあまり問題はないけど晴海は」

「へへん、英語は得意なのよ。小さい頃から英会話教室に行っていたもん、ママもパパもペラペラだから」

「もしかして家族でアメリカに行こうとしていたの」

「よくわかんないけどそんなつもりもあったかも」

「でもさすがに国語の授業は難しいんじゃないかい」

「久太郎、なめないでよ。私は漢字検定二級持っているのよ」

「二級?すごいのかい」

「久遠さん、高校生レベルくらいですよ。晴海もそんなに得意にならないでよ。僕も持っているよ準二級」

「そう漢字はダウンロードでどうにでもなりますが問題は読解力です。これは読書量がものを言います。幸い二人とも読書好きなんでポイントさえ押さえればどうにでもなります。二人とも向上心が高いので教える方は楽でたすかります」

 勉強に集中し始めた三人を見ていた久遠はコントロールルームへ戻って行った。

「でも数学とか物理だけは好きになれないは、どうやって勉強すればいいの」

「僕は結構好きだなパズルを解いている感じかな」

「ええぇっパズルだなんて考えられない」

「うん、たしかに数学は算数と違って実際使うところが少ないのはわかるけど確率を計算出来たり図形を描いて立体を作るときに大切な知識だよ水無瀬さん」

「そんなのできる人がやればいいのよ」

「その通りです。でもできることがわかるのも勉強ですよ。自分ではできなくても指図できるようになればいいわけですから」

「ふーんそんなものなのかしら」

「じゃあ少しは数字に興味を持って見れば楽しいですよ。ところで二人は完全数って知ってますか」

「?」

「自分自身が自分自身を除く正の約数の和に等しくなる自然数だよね」

「なにそれ」

 晴明は晴海に完全数を説明始めた。

「つまり「6」は1×2×3に分解できるよねその「1,2,3」を足すと「6」そんなことができる数字のことだよ。でもなんで天鼓そんなことを」

「いや面白いだろ「6」そして「28」この次はわかる晴明」

「さあ興味もないから」

「なんと「496」に「8128」とそのくらい離れているんだよ。興味深いだろ」

「?わからないけど。すごいことなの」

「ピタゴラスが万物は数と気が付いた数字なんだよ。興奮するじゃないか」

 二人は宝蔵院が何を言いたかったのかさっぱり理解できないでぽかんとしていた。


「おっお勉強は捗っているかもうすぐ高校受験だからな」

「まだ一年以上あるよ。父さん聞いていたなら天鼓の言ったこと分かる」

「完全数か、さっぱりだよ。でもなんとなくわかるなロマンだろ。こんな理詰めでコンピュータみたいな天鼓君が興奮しているのはまだ解明されていないことがあるからだろう。そんな夢みたいなものが人を突き進めているてことだ」

「晴明のお父さんは面白い考え方しますね。ところでどうしてお父さんはキビツ遺跡に向かうんですか教えておいてください」

 宝蔵院は晴人の目を見つめた。

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