■アガルタさようなら
晴人の次の目標はオオガミの謎を解くことであった。
「ところでそのハクト・ダルヌと修羅猿は何処にいるんだ、一緒に地上に出てきたんだろ」
「スワン教皇とガ―ラッドと面接しているよ。地底世界から来た重要人物だってことでそれはもう丁寧にだが尋問に近いな」
魔族しかいない地底世界から来た人族にしか見えないハクトダルヌは敵教団の関係者ではないかと疑われていたのだった。
「俺が身元引受人として連れ出してやるとするか」
晴人はハルト市国の神殿へと向かって行った。
一方晴明たちはリボソームの船でラルヴァンダードに降りたち執政官のダルトンにオオガミたちのことを聞き出していた。
「オオガミたちは今朝、無事地上へと戻っていたぞ。これからどうするんだ。家で飯でも食って一泊してから戻るか」
「いえ、せっかくお誘いいただいたんですが急いで戻る必要があるんです」
「それじゃあ仕方がねえな。気をつけて帰りなよ」
「ではまたいつか」
と晴明は手を振ってダルトンと別れた。そして地上編出口までリボソームの船で送ってもらうとこちらでも別れの挨拶をしてヤクモ大迷宮へと向かって行った。
「この迷宮を抜けると天鼓や久遠さんが授かったスキルなくなってしまうんだよね」
「便利なんですがね。まあ戻れはいろんな機械がありますから何とかなると思いますが久遠さんののスキル、僥倖はもったいないですね」
「久太郎、スキルなんて持っているのそれにのスキル、僥倖ってなに?」
「なんでもラッキーだということです。幸運に守られているスキルなんです」
「なによそれって、運がいいですってしょぼい」
「しょぼいはないよ。晴海殿」
うなだれる久遠に晴明は
「でもそのスキルのおかげで晴海が助かったんじゃないかなと思うんだけど」
「晴明君、君はいいやつだねぇ」
「まっそういうことにしておいてあげる。ありがとう久太郎」
出口の階段を下っていく晴明たちであった。




