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■ピクニック

「気をつけて行ってきな、天坊中継よろしくな」

 山頂へ向かう五人に手を振るリボソームであった。

「晴海様、体調はどうだい。疲れたら僕がおぶってあげるからすぐに言ううんだよ」

「ありがとう、でも大丈夫よ久太郎!スープのおかげで前より調子がいいくらいよ」

「よかったね晴海、元気になってうれしいよ」

「でも心が重いわ・・・カグヤのおかげだもん」

 晴海は下を見ながら歩き始めた。

「カグヤならその石がある限り復活できるからそんなに落ち込まないでよ。僕と天鼓でできる限りのことはするよ」

 晴海はカバンから紫と緑のマーブル模様の石を取り出して握り締めた。

「あんなに酷いこと言ったりしていた私のために・・・」

「水無瀬さん、そんなことないですよ。彼女は何とも思ってないと思いますよ。僕が見ている限りでは仲がいいなとうらやましいですよ。僕なんてそんな関係の友達なんて皆無ですから」

「なに言ってんだよ、僕がいるじゃないか。それに晴海そんなこと気にしていたなんて」

「あの子が晴明に近づきすぎたから嫉妬していたのかな。そうだ晴明が悪いのよ」

「えー僕が‥悪いの・・そんな」

 飛んだとばっちりを受けた晴明に

「ごめん、私が悪いのよね全部、どうしてこんなことになったのかしら、あんなに嫌う必要なかったのに、ねえ晴明嫌いな人いる、そんな人とどう付き合えばいいの」

「えっ嫌いな人、そんな人いないよ」

「水無瀬さん聞く人を間違えてますよ。彼に人を嫌うことなんてできないですよ。ただのお人好しですから」

「そんことないよ。ただ興味のない人や付き合いずらい人はいるよ。いえばそんな感じかな」

「そんな考え方なんだ。そう言えばあんまり晴明が怒っているところを見たことがないのはそんな目で見ているからなの」

「僕だって怒るときは怒るよ。ただの人好しじゃないよ天鼓」

「あっありますよ。晴明が怒ったところを見たことを」

「どんなときなの、こんなのんきな顔しているのに」

「僕がいじめられている時に鬼みたいな形相でいじめっ子に対峙したときに」

「そんなに怒っていたかな?だって天鼓が困っているのを見逃がせなかっただけだよ」

「らしわね、でガツンとやっちゃたのそいつらを」

「暴力なんて振るってないよ。どうしてこんなことをしているのかを説明しろって言っただけだよ」

「そしたらあまりの血相に気おくれしたのか尻尾を巻いて逃げ出したんだけど、追いかけて僕に謝るまでしつこく問い詰めたんだよ」

「なんだかそれはそれでいやね。あんまり怒らせたくないわね晴明は」

「でもその子たちとも仲良くなれてよかったよ」

 いつの間に晴海は上を向いて歩いていた。

 山頂に近づくにつれ次第にあたりにはもやがかかってきたのであった。

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