■フガク登山
「あのフガクに登れるなんて夢にも思っていなかったよ」
リボソームは感慨深そうにつぶやいていた。晴明、晴海と天鼓の三人はリボソームの船で世界樹の元へ向かっていた。晴明は世界樹に地上に戻る前にもう一度来るようにと言われたいたからだ。早く地上へ帰ろうとしていた宝蔵院は世界樹と話ができることに興味を持ちついてきた。晴明について行きたい晴海には久遠が付き添い、なぜかバーバレラまでついてきていた。オオガミ、ヤーシャはリボソームの息子、ラルヴァンダードの執政官であるダルトンとともにそのラルヴァンダードへ先に向かっていた。そしてその船にはハクトダルヌと修羅猿が同乗していた。
「リボマンマさん、あの山は富嶽というのですか」
晴明はこの山の名前があったことをこの時知った。
「アガルタ冨士ってわけだ。なるほどいい形をしている」
「久太郎、何でも冨士ってつければいいわけないじゃん。フガクよ」
「水無瀬さん、富嶽は富士山の別称ですよ。古来各地であのような形の山は××富士と名付けられることは山岳信仰上興味ある事例です」
「天坊が船を改造してくれたおかげでこの高度まで飛べるようになったのさ。この山はただ遠くから眺めるだけの存在だったてわけだよ。それをこんなに近くで驚きだよ」
「山頂付近は視界が聞かなくなるので八合目あたりで降りてからは徒歩です」
晴明は山の八合目付近の空き地を指さして言った。
「あらいやだ!登山なんてまっぴらだよ。この体で何をさせようっていうんだね」
確かに彼女の体型では登山は過酷なことは見て取れた。
「リボマンマはこのモニターで登山した雰囲気を楽しんでおいてください。僕たちだけで登りますから」
宝蔵院はそう言って登山準備の用意を始めた。




