◆アースラとバスクル
ベールに着いた後バスクルはサマラの従者ジャスミンに連れられてドラゴニアの宮殿に案内されていた。
「ヨモツ大迷宮の奥から来たバスクルです。アースラさま」
ジャスミンはサマラの母アースラにバスクルを紹介した。
「見覚えがあるぞそなたのこと、たしかハルトの街では聖人バスクルと呼ばれたいた方ではないか」
「確かにそう呼ばれていたこともありましたがあなたはなぜそれを」
「覚えていないか私のことをまだそこのジャスミンくらいの大きさであったが」
アースラは自身の力では満足に体を動かせぬほど巨大化していたが五百年前はまだほかのドラゴノイドと変わらぬサイズであったのだ。ドラゴモード(竜化)から変化できなくなっていたのだった。
「おお、そう言えば女戦士の龍人が教皇に仕えていたな。それがあなただったのか。我々とは異なる魔族の軍団に一人で戦いうち滅ぼしていた恐ろしい戦士様だったな」
ジャスミンはアースラをまじまじと見つめた。
「そんな目でジャスミン見るでない、誰にでも若い頃はあるものだぞ、そこのバスクルは魔族でありながら教皇の片腕として戦いを好まぬ魔族に敏腕を振るいアルテミス様の教えを布教した大聖人様だ」




