表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
437/709

◆晴海の記憶

「潮干狩りですか。いい思い出だったんでしょうね。水無瀬さんにとって大切なパパとママの」

「そうだよ。小学校に入って七歳の誕生日に百花から受け継いだ力が突然暴走を始めて青龍のミシエルに力の封印をお願いしたんだ。そのあと私たちは異世界に渡る決心をしたんだ」

「あの力を制御できていればアスタロトに操られることもなかったはずなのに」

 竜宮丸のコックピットに座る水無瀬夫婦に天ミニが色々と話し始めた。

「七つの時ですか、よかった。捜査〇課に配属されたとき水無瀬さんに同級生だと言ったら、全然覚えていないと言われて少しショックを受けていたんです。記憶を操作されてそれ以前の経験はなかったことになっていたんですね」

「それはうちの晴海が悪いことをしたな。天鼓君すまなかった。仕方なかったんだ。あの力で誰かに迷惑をかけないためにも力の封印と記憶の消去が」

「できるだけ消された記憶は色んな人に聞いて補填しておいたんだけど」

「そんなに気にしないでください。疑問が解けてスッキリしていますから」

「ありがとう天鼓君、優しいのね。色々と気が使えてすごいわね」

「そうだ!水無瀬さんは保育園の時から晴明に興味を持っていたみたいですよ。あまりそのことを言わないので不思議だったんです。僕が晴明と仲良くしていたんで彼のことをことあるごとに熱心に聞いて来ていましたよ」

「あら、そうなの全然気が付いてなかったわ。どうして違うクラスなのに興味を持ったのかしら」

「おそらくパルの事件で興味を持ったんですよ」

「パルの事件?なんだそれは百花知っているか」

「・・・園のウサギのことかしら」

「そうです、逃げ出したウサギを晴明が見つけ出して保護したんです。その時に翌日一番喜んでしたのが水無瀬さんでした。彼女にとって晴明はヒーローだったんですよ」

「あったはね、そんなこと、そうだったの」

「くそっそんな昔からあの小僧はうちの晴海にちょっかいをかけていたのか!」

「あなた、だめよ。認めてあげなくちゃ、娘のヒーローよ」

 口とは裏腹に永晴は少しにやけていたのだった。

 コックピットのドアが開くとヨシュアとサマラが戻ってきた。


 グシュナサフの執政官(コンスル)邸に封印の丘から全員帰還してきた。晴海はベッドに横たわり心配顔でのぞき込む久遠と晴明がじっと晴海の死んだような顔を見つめていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング

↑「多くの方に読んでもらいたいです。勝手にランキングに参加していますので面白いと思ったらクリックしてもらえると嬉しく思います」

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ