■晴明と久太郎
「晴海を助けるには、カグヤどうすればいいの」
カグヤはハクトダルヌと目を合わせ瞬きで相槌を打つと
「一つあるが危険な賭けだ、私は勧めない」
「晴海を助けれる可能性があるなら僕はなんでもするつもりだ。お願いだから教えて」
「僕にできることなら危険ならば晴明君の代わりに僕で」晴明を押しのけて久遠が前に出てきた。
カグヤは晴明の目をじっと見ている。
「さあ早く教えてよ」
久遠を指さして
「彼を危険にさらして君が晴海を助け出すことだ。その覚悟はあるか」
晴明は久遠の顔を見ると久遠は大きく頷いている。
「だめだよ久遠さんを巻込むわけにはいかないよ。僕一人で何とかならいの」
久遠は晴明の肩を両手でつかんで
「何を言っているんだ僕は君を巻込むわけにはいかないと思っているんだよ。僕一人でできるならどれほどよかったか、ぜひうんと言ってくれよ」
強いまなざしから目をそらしてしまった晴明に宝蔵院は
「晴明、こんな久遠の思いを汲まないわけにはいかないだろ、彼らの選択の余地はないよ。カグヤ教えてやってよ」
「確かに私がばかだった、こうなることはわかっているはずなのに・・・晴明、晴海の心に入ってくれ」
「晴海の心に入る?どうやって入るんですか」
「久遠がバイパスとなる、彼が晴海の心までの道となり君がそこを通り彼女の障害となるべき悪しき心を打ち破ってやるんだ」
宝蔵院はポンと手を叩いた。
「なるほど、その手を使うのか、でも失敗すればどちらか一方は死んでしまいますね。危険性は明らかに久遠さんに分が悪いですね」
「なに言っているんですか天鼓君、僕には強運というスキルがあるんですよ。危ないのは晴明君ですよ」
「でも何とかしちゃうのが晴明なんですよ。この作戦は成功します」
宝蔵院はカグヤに向かってそう言い放った。




