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■三つの船

 シャア・ゴジルの屋敷内部には彼の飛行船の格納庫があり飛行船はダルトンのものと同形式であった。ゴダールの丘まで数キロの距離だがゴジルは飛行船で向かうようだった。

「晴明はピコーナで先に向かってくれるか」

「オオガミさんわかったよ」

 と飛んで行ってしまうとリボソームは

「あたいも自分の船で行くよ」自機でゴダールの丘へ一人誰も搭乗させずに行こうとすると宝蔵院が追いかけて来た。

「リボマンマ、待って僕も同乗するよ」よほどリボソームが気に入ったのか離れず付き添うことを選んでいた。残りは皆ゴジルの大きな船で現地へ向かった。


 晴明はゴダールに到着するとすでにもう一隻船が停泊していた。それはダルトンの船であった。ダルトンは船の外で数名の乗員たちとお茶を飲んでいた。その輪に近づく晴明

「晴明、ちょうどよかったマンマ(リボソーム)は何処にいるだよ。先に行っていると思ってゴダールへ廻って来たんだが」

「ダルトンさんこそ、どうしてここへ」

「ラルヴァンダードに戻るとガストが帰ってきていたんだ。それで地上の会議で決まったことを三人の執政官(コンスル)で共有するためにここまでとんぼ返りさ」

 ガストは晴明たちが初めてこの地底世界であった人物でバスクルと共に地上世界へ新撰大使として出向いた男である。

 ダルトンは晴明たちがアスタロトに襲撃に合い飛行船の修理を行っていた間に追い越して先にゴダールに着いていたようだった。

「それならもうすぐリボソームさんが来ますよ」

 空を見上げてぼーっと待っているとリボソームの船が見えてきた。

「マンマの船、新しくなっているみたいにきれいだな」

「天鼓が修理したんです」

「修理だって、何かあったのか」

「敵の襲撃を受けて少し壊れてしまったんです」

「マンマ怒っただろ、あの船は俺より大切だったからな」

 と言っているとガストンの船の横にリボソームの船が止まるとリボソームと宝蔵院が降りて来た。

「あんた!帰ったんじゃないのどうしてここにいるんだい」

「おーマンマ、大変なんだよ。昨日の夜話した地上との協定が決まったんだよ。これからは自由に地上世界へ行けるようになったんだ」

「それはいいけど、こっちはもっと大変のことがあるんだよ。このゴダールの地下で異変が起きているかもしれないってんだよ」少し興奮気味なリボソーム

「そんなにカリカリしないでカッフェでも飲みなよ」

 ダルトンは小さなカップに砂糖をたっぷり入れたエスプレッソをリボソームと宝蔵院、晴明に渡した。

「ところでこの祠の鍵は何処にあるんですか」

 入口の祠を先にチェックしていた宝蔵院は聞いてきた。

「まあ待ちなゴジルが持って来ているよ」

 ゆっくりと近づいてくる飛行船を顎で指さすリボソームであった。

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