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■三人衆ふたたび

 男たちの部屋ではカグヤの異変について色々と議論がなされていたが、かたやヤーシャとカグヤ、ハクトダルヌの部屋では沈黙が続いていた。バーバレラが居れば場も馴染んだであろうが、ラルヴァンダードへもどるダルトンと呑み続けていた。特に他人に気を遣うといった性格ではない三人が残っている。進んで何かをしゃべろうというキャラがいない状態あった。しかしヤーシャは修羅猿(シュラサル)に男たちの部屋に行くように言っておいたのだが、ドアの向こうに主人のハクトダルヌから離れもず常に頭を下げ待機していたのであった。それを鬱陶しく思い口を開いたのであった。

「ハクトダルヌ、あの大猿はまだ控えているのか」

「すまない、なにか少しパーソナリティを与えてみよう」

 と言うと外で待つ修羅猿(シュラサル)に指を突き刺すと、立ち上がりそそくさと男たちの部屋へと向かって行った。それを見届け部屋に戻った。

「仕事ではなくパーソナリティを与えるとはどういったことだ?」

「あれたち三人の自我を上書きしてやったのだ。もともと本能だけで行動していたような(やから)たちで三人寄ったところで大した社会規範を持ち合わせることができなかったのだ。そこで天ミニの中のデータにあった手ごろな人物のパーソナリティをインストールしてあげたのだ」

「ほう、それはちなみに誰のものだ。天が他人に興味を持ってデータベースとして収集していたくらいの人物だ、さぞかし優秀な人間だろうな」

「ツチグマ、あるいはシロクマと呼ばれたいた人物だ」

 ヤーシャにとっては予想外とも言えないツチグマという選択データであった。

「彼なら申し分ないだろう。ツキノワの父だな。天は少しその父性(ふせい)の部分に惹かれていたようだった。私も仲間として申し分のないもっと長生きしてくれたのならと思っていたし、天と共に仲良くなれただろうと思う」

 テンコとヤーシャとツチグマ、その絆を感じさせるチョイスであった。

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