表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
364/708

■火鼠

 朝も突然やって来た。朝焼け夕焼けと言った風情もなくスイッチをオンオフするようにこの地底世界では何百年も続いていたことなのだが。

「バスクルの地図では今はこのあたりです。ラルヴァンダードまではあと最低二回は夜営をすることになりますが気になる場所があるので寄り道をしてもいいでしょうか」

「アーティファクトだね」

「晴明君その通り、この火鼠山(かそざん)という地名が気になるんです。バスクル、この地名について何か知っているか」

「この地図に書かれてある地名はわれらが考えたものではありません。それぞれの場所の石柱(モノリス)が示唆するのです」

「示唆するとは?どういうことだ」

「その石柱に触れた者はその場所について啓示を受けるのです」

 晴明と宝蔵院は顔を見合わせた。オオガミの過去を除いたときにも石柱(モノリス)と言う存在があったからだ。

石柱(モノリス)は崩れちゃうの啓示を与えたら」

「いえ、それからは輝きを失い何もしゃべらなくなるだけです」

 オオガミの石柱(モノリス)とは違ったもののようだった。

「なるほどただの道しるべか、カグヤはどう思う」

「キーワードは火鼠(かそ)ね。燃えない衣、阿倍(あべの)御主人(みうし)ゆかりのアーティファクトの名」

「行ってみる価値はあるよね」

「異論がなければオオガミさん、行っていいですよね」

「ギリギリ夜までにはたどり着けそうだな。よし出発だ」

 八頭の大ヒクイドリは走り出した。


 昼の休息をとる晴明たちは地底世界の自然の美しさを堪能していた。空には朱雀と見間違えるよう朱色のきれいな鳥が飛んでいると思えば、翼竜の群れが飛んでいくのが見えた。

「天鼓君、あれってもしかしたら始祖鳥ってやつじゃない」

「確かに特徴は一致しますね。ペルシダーの物語みたいに恐竜たちがいるかもしれませんね」

「ワクワクするね。ジェラシックパークだ」

 お気楽な晴明はまさか恐竜と相まみえることになろうとはこの時はまだ思って、思ってもいなかったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング

↑「多くの方に読んでもらいたいです。勝手にランキングに参加していますので面白いと思ったらクリックしてもらえると嬉しく思います」

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ