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◆カグヤを知る

 メラクを出たオオガミたちはハルトの街の手前まで到着していた。

「この尾根を下ればガルトいやハルトの街まで街道が続く、カグヤはよくあの山道を歩いたもんだ」

「確かに訓練もろくにしていないだろうに私やオオガミのペースに遅れずについてこれたもんだ」

「そんなに褒められたことをした覚えはないが早く休息をとって回復したいだけだ」

 カグヤもかなり疲労を蓄積していたのであろう少しだけ本音が漏れていた。

 ヤーシャはそれを横目で見て通信機を確かめてみた。オンラインになったようだ。

「白鳥か、もうすぐ街へ着くが軽足はいるか、えっ迷宮へ潜っただって」

 朝一番で晴明を追って軽足チームは迷宮へチャレンジしていたのであった。

「96式装輪装甲車を操縦することはできるなら迎えに来てほしい」

 カグヤとまだ本調子でないオオガミのことを気遣ったのであった。

「うむ、街道をそのまま来てもらえれば合流可能だよろしく頼む」


 間もなく飛行船に積み込まれた96式装輪装甲車が向こうからやって来た。三人をピックアップするとハルトの街へと戻って行くがカグヤの様子が明らかにおかしい

「今にも死んでしまいそうな顔色じゃないか。何をすればこんなことに」

「かなり過酷な道のりではあったが今までの彼女のパフォーマンスを知っているがこれほどまでに疲弊しているのは異常だ」

 飛行船に戻ると白鳥は医務室にカグヤを運び込んだ。ヤーシャが汚れた衣服を着替えさせていて妙なことに気がついてしまった。

「オオガミ、こっちへ」

 外で待つオオガミを病室に呼び入れてカグヤの腹部を見せた。

「これは、俺の傷と同じ形じゃないか、どういうことだ」

「私にはわからんが彼女に聞くしか仕方あるまい、起こすぞ」

 ヤーシャはカグヤの腕に強心剤を注射した。

「うっ、!?・・」カグヤは目を開ける

「おい、目覚めたかカグヤ!この腹の傷はなんだ教えろ」

「オオガミさんそんなに激しく揺さぶっては彼女は弱っているんだぞ」

 白鳥が制止するが

「なんとか言え、すぐにこんなことはやめるんだ」

 白鳥は何のことやらわからなくなった。

「何を言っているんだオオガミさん」

「何をしたかわからんが、こいつは俺の体とリンクをしているんだ。俺のダメージを肩代わりしてやがるんだ」

 オオガミは白鳥に腹の傷跡を見せるがすでに完治しかけていた。

「彼の傷を知らない間に直していたみたいだな、不器用なやつだな」

 ヤーシャは自分以外にこんな不器用な女を見たことがないような口ぶりだった。

「白鳥、何か治療法は思いつかないのか」

 オオガミは白鳥を見つめる。宝蔵院でもいればよかったのだろうが

「どうすればいいかは()()()()聞くしかないだろう。彼女の従者だ」

「奴はカグヤが目覚めた(ほこら)を守っているんじゃないのか、どうやって連絡を」

「この飛行船のゲートをたどれば始祖の祠へたどり着けると思うが」

 カグヤが眠っていた祠は始祖の祠と名付けられたのであった。

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