■コースレコード
「釜炊きご飯と豆腐の味噌汁とアジの開き、シンプルだけどいいでしょ、天鼓君」
七輪からはもうもうと煙を上げ干物を焼いていた。
「この匂いは邪を払いそうですね。発酵食品は大好物です」
食卓には白菜のお新香も添えられていた。
「最初に聞いていたけど全然でないねドロップアイテム、それに宝箱もないんだけど」
干物に醤油をかける晴明、巧みに箸を使うとホクホクの身を口に入れた。
「十階層迄はチュートリアルと言ったところじゃないですか。よほどの幸運があればアイテムがでるくらいの確率くらいしかないのでは、でも僕には役立っています。こんなに実戦の訓練をできたのは初めてで戦闘理論に裏打ちっできました」
ずっずとみそ汁に口をつける宝蔵院、かっと目を開く美味しかったようだ。
「僕にもわかるよ確実にレベルアップしているよ。この分だと今日中に十階層だね」
ご飯をかき込みみそ汁と少し飲む。
「一日でクリアした人はまだいないようです。コースレコードになりますね」
同じく味噌汁をすする、
「これでそんな難度高いの?」
「平均三日かかるそうですよ情報によると」
まだスタートはしていないがオオガミたちならば半日でクリアしまうのではないかと晴明は思ってしまった。
「食べ終わったら、夕ご飯は十階層を目標にしようか」
「このまま休憩なしでもっと早く到着しましょう」
二人は今日中のダンジョン攻略を決めてしまったが、それはたやすく実現したのであった。
「ここは敵がいないセーフティーゾーンになっています。これまでの調査隊が作り上げたゲストハウスがありますから行きましょう」
まるで南極探検隊のようである。ゲストハウスは食物や装備の予備など至れり尽くせりの施設であった。
「ここまで作り上げながらこの先に行けないんなてどんな謎があるんだろう」
宝蔵院はさっそく次の階層への扉を調べていたのだった。地面に空いた大穴を閉じるようにマンホールの蓋状の扉だ。
「いかにもここが入口と見せかけて実はほかに入口があったりして」
きょろきょろするが、怪しいものは何もなかった。
「そんな簡単なことならもう見つかってますよ。やはりこの蓋を開けることが必要です」
「この模様何か見た覚えがあるんだけどな」
「模様?そんなもの見えませんよ晴明君」
「嘘、こんな感じの」
晴明が地面に酒船石の模様を描き出した。
「!そうか、認識阻害の結界か」
宝蔵院はマンホールを中心に魔法陣を描き始めた。そして術式を発動させるとマンホールの蓋から全体像が広がった。蓋と思っていたものがカギ穴で大きな扉がその周りに存在していた。
「ここまでの大きさとは気が付かなかった、これで一歩進んだね」
「このくぼみに何かの液体を流し込めばいいと思いますが・・・晴明君、一度戻って僕の計測器を取ってきてくれませんか」
「わかったよ。ここから上に上がればすぐに出口につながっているんだね。コースレコードをさらに更新して戻ってくるよ。あと必要なものはない」
「コーヒー豆ですかね」
晴明は地上へ戻って行った。




