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◆大迷宮前夜

 その夜、晴明たちはヨシュアとサマラを残しハルト市国へと飛行船で向かっていた。

「ヨシュアとサマラに黙って出発したけど怒ってないかな」

「王様と王女様だから巻込むわけにはいかなでしょう、普通に考えて」

「それよりオオガミの旦那やヤーシャはどうするんだい」

 ヤーシャの父、軽足団長がいう

「結局次の列車にも乗っていなかったってことは別の方法でハルトの街を目指しているということですよ」

 宝蔵院はあまり気にしていないようだった。ヤーシャへの信頼が強いということであろう。晴明もオオガミを思うと心配はいらないといった風であった。

 彼らが思った通りオオガミ、ヤーシャ、カグヤの三人は山岳地帯を突っ切ってハルトの街を目指していた。


 飛行船のバーラウンジは会議室として使われていた。晴明は父をメダルで呼び出すのであった。

「いよいよ翌朝ヤクモ大迷宮へのアタックとなるのだが、オオガミたちが揃っていないがそのままチャレンジをする」

「父さん、晴海のお父さんたちはどうするの」

「あの二人は先に迷宮に潜ってもらっている。晴明と天鼓君、君たち二人で後を追うことになる。何らかのヒントを残して進んでいるはずだ」

「晴人、俺たちはどうするんだ」

「ミッチーたちはオオガミが到着したら合流して追ってもらう。軽足団長は御堂(みどう)貴具(きぐ)を指揮して、久遠(くえん)君を頼んだぞ。彼が晴海ちゃんを救い出すカギとなることを卦が教えている」

「かしこまりました。拙者と(すぐる)でお守り申す」

「宝蔵院君の装備があるのでそんなに足を引っ張らないと思いますがよろしく願います」

「新しい装備も開発しているので守られる側から反対になるかもしれませんよ。くっくっ興味深い実験です」

「天鼓君、実験なんて言ったらまた晴海に怒られちゃうよ」

「失礼、検証ですね。久遠さんはりきってください」

「君の装備には驚かされてばっかりだからマニュアルももらっていいかな」

「あっしがお供するでやんすよ、久遠の旦那」

 バタバタと晴海の装備の取説妖怪のバットリが久遠の上を飛んでいた。

「ああ君か、君は晴海様の専用じゃないのかい」

「天鼓にその装備の仕様を叩き込まれているから任せてくれでやんす」

「全員、作戦はわかったな、くれぐれもいうが絶対に無理はするな、引くことも大事だぞ」

 宝蔵院がモニターを操作し始めた。

「皆さんにハルト大迷宮についてご説明します。宮殿の図書室にハルト市国の神官やパラディン、ドラゴノイドの戦士たちが探索した書籍からの情報です」

「さすが天鼓君、それで今日ずっと本を読んでいたんだね」

「晴明君のお父さんの編成したチームは大正解です。迷宮には一度に四名しか入れません」

「全員集まることができないのか」

「いえ、階層主を倒せば入場は可能です。調査では最下層まで到達していませんが10階層迄はわかっています。つまり四階層の主を倒した時点で僕たちは合流できるということです」

「敵はやはり深く潜れば強くなるということか」

「ええ、ただ迷宮に入った時点で特典としてスキルが付与されるようです」

「スキル?ゲームのようだね」

「晴明君、その通りです。でも高位な力を持った者にはないようなので晴明君には期待しないほうがいいですね」

「ちぇ不公平だね」

「いえ、公平を保つためでしょう。敵は魔族です倒せば、ドロップアイテムを希に落とすそうです。それでパワーアップを行えます」

「ふざけたシステムだな。遊んでやがる」

 晴人は自分を転生させた存在を思い起こした。

「その話僕もヘイ・オン・ワイの(エル)から聞きました。魔法が使える書物なんかですよね」

「ダンジョン内限定ですけど、そういった類です久遠さんは必ずゲットしてください」

「ほかに何か特殊な情報は」

「それ以上は私が調べていきます晴明君と一緒に」

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