表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
315/709

▼沖ノ島

「だいじょうぶです。予想の範囲内です。晴明君頼みましたよ」

 海面からは鮫のひれが無数に筏を取り囲みぐるぐる回っていた。

「ごめんね、ちょっと気絶していてね」

 片腕を海の中へと沈め

あまびこの

おとをまゐらすわりなしの

さがなしものにさながらうす

雷撃(フルミネ)

 強力な電撃が湖中を伝うと、鮫人族は気絶すると腹を出して次々とぷかぷかと浮かび上がってきた。

「こいつらが白兎(ハクト)を痛めつけた連中だな、少しは気が晴れた」

 オオガミは口元を少し上げて眺めていた。

「まだ警戒は解かないでくださいね。空からも襲ってくるかもしれませんよ」

 その心配はいらなかったようで島までの100キロ近い海路をモーターボートのように突き進んでいった。そして篠の浜辺に筏を打ち揚げた。

「この島が黄泉津(よもつ)の作り出した研究施設なんですか。黄泉津(よもつ)は別の施設にいるということですよね」

「うむ、海へ出る前に通り過ぎたあの大きな階段のある巨大神殿にいる。オオヤマはこの沖ノ島の社に娘ともども軟禁されている。逃げようとするとさっきの鮫人につかまるということだ」

「つまりあの島自体に兵士はいないということですか」

「ちょっと私を少しはねぎらってよ力使い過ぎでへとへとなんだけど」

「あ、そうだ母さんごめん、僕の妖力を分けるよ」

 晴明はタマモの背中に抱き着いて狐族の妖力を注いだ。

「あら背中が温かくて気持ちもいいわ」

 タマモは目をつぶってその感触を味わっていた。

「これでいいでしょ、行きましょうみんな」

「なんだか前より元気満タンな感じハルちゃんまたやってね」

 機嫌が取れたようで晴明は安心して島の中へと先頭でどんどん進んでいった。

 すると(やしろ)が見えてきた。近くまで行くとそこには掃除をしている男がいた。

「誰だ!君たちはどうしてここへ来たんだ」

 驚いて(ほうき)を投げ捨て社に逃げ込もうとする男に稷兎(きびつ)

「待つんだ、白兎(ハクト)に聞いてやってきた稷兎(きびつ)だ」

 足を止める男

「本当に来てくださったのですか、稷兎(きびつ)さまオオヤマです、ささ中へどうぞ」

 社の中に晴明たちは案内された。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング

↑「多くの方に読んでもらいたいです。勝手にランキングに参加していますので面白いと思ったらクリックしてもらえると嬉しく思います」

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ