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▼修正力

「まずいよ晴明君、これ以上関わると大変なことになる。よく考えてみてこれは僕たち人類へのタカアマーラからの侵略だよ」

「でもハクトを助けたとこらかもう始まっているんよ天鼓君、僕はこの事態は関わるべきだと思うんだ。そのためにこの時代に来たんだと思うんだ」

「そうよ、天ちゃん、平安時代の活躍でハルちゃんがいたからこそ私たちがこうしているんだから」

「タマモさん・・・そうですね。晴明君の行動、時空の修正力に組み込まれていてその歯車の一つとして僕たちが今ここにいる仮説もありですね。そして希望が未来につながるのかもしれません。それを信じることにします」

 宝蔵院は深く目を閉じて自身の心に刻むように言った。

「心配しないで天鼓君、なぜか僕が何かをしなくちゃいけないと感じるんだ」

 宝蔵院の肩に手を置いて力強く言い放った。

「思い切って暴れちゃいましょう」

 タマモが妙に元気になっていた。


「おーい、話は済んだか。こっちに戻ってこい、ハクトの調べで分かったがイズモの沖の島にオオヤマたちが幽閉されているそうだ。まずそこへ向かうぞ」

 オオガミは晴明たちを呼んだ。

「僕らの気持ちは固まりました。お供します」

 晴明はそう答えた。

「これをあげよう。黍で作った餅だ」

 タマモがもらい受けて晴明と宝蔵院に渡すと

「えー黍で作った餅・・・黍団子!それじゃ僕たち犬猿キジ!!もしかして行く先は鬼ヶ島!?」

 晴明は叫んだ。

「なんだそれは、オキノ島だぞ。まあいい心強い返事だ」

 何やら桃太郎のような展開に晴明は喜んでいた。大好きな御伽噺だった。

「晴ちゃんよかったわね。桃太郎って、小さいときに良くお話読んであげたわよね。すると私がキジで天ちゃんは猿、晴ちゃんは犬ね。ふっふ」

 と笑っていた。

 オオガミらは海からの暖かな初春の汐風を受けて西へと歩みを進めていった。

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