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◆サマラ騒動

 バーラウンジにメンバーたちが勢揃いしていた。

「晴明、全くお前はどれだけお姫様連れてくるんだ」

 晴人は呆れてそう言ってサマラをじっくりと眺めて笑っていたが

「晴明くん!君は晴海のことをどう思っているんだ、取っ替え引っ替え女を集めて」

「そんな、誤解ですよお父さん」

「君にお父さんと呼ばれる筋合いはない!」

「まあパパ、頭ごなしにそんなこと言わないで晴明くんの話を黙って聞きなさいよ」

 百花は永晴をなだめるが怒りをにじませる表情は変わらない。

「晴ちゃんモテキ到来ね、母さんうれしいわ。今まで女の子になんて興味ないみたいな子だったから心配してたのよ」

「おい、話をややこしくさせるようなことは言うなよ。それでサマラのことを話して見なさい」

 晴明は出会いから教皇選挙のことをみんなに話をした。

「晴明に助けられぱなしで感謝してるし、男の子としての興味がわいてるの、晴明のお母さんは話が分かりそうだから私たちの付き合い認めてくれるでしょ」

「付き合いだなんて、あってまだ数日だよ、いや日数の問題じゃない。そんな気持ちになれないよ」

 と言いながらもサマラとの夜のことを思い出して赤くなっていた。

「あれ晴ちゃん、何か隠し事があるな、母さんにはわかるのよ。言いなさいよ」

「だから、何にもないって」

 タマモから見えないところに移動する晴明だったが、意識したわけではないがカグヤの隣に来てしまった。

「そうだ、カグヤこれをあげる」

 ドゥーベで買った緑の櫛をわたした。

「ありがとうどうしてこれを」

 カグヤはラッピングをほどきその櫛を自らの髪に挿してみた。

「あら、それ、色違いでサマラちゃんとお揃いじゃない。隅におけないなさっそくプレゼントだなんて」

「ち、ちがうよ。晴海にも買ってあるんだ。一人だけにあげちゃ不公平だから」

「おい、晴明、女の子に櫛をプレゼントする意味を知っているのか」

「えっ父さん、なんか意味があるのしらないけど」

「ともに白髪が生えるまでてな意味でプロポーズの印だぞ」

「きさま!そんなこの三人をもてあそぶつもりか」

 ただただ知らなかったと頭を下げる晴明であった。

「晴明はいいなモテモテで、俺なんか見向きもされてないよ」

「ヨシュア、そんなことないさ。ちょっと前までは君のことばかり聞かれてたんだから、ねっサマラ」

「会ってみるとそれほど興味がわかなくなっちゃたの、ごめんねヨシュア」

 がっくりとうなだれるヨシュアであった。

「晴人船長、ワーロックからの連絡で自分たちはユートに向かうと連絡がありました」

 軽足が晴人に報告に来た。

「わかった。俺たちはトルクメニストに戻ろう、ヘイ・オン・ワイの調査報告を待つとするか」

「そうですね色々と分析したいこともありますし、ヤーシャさんの腕の具合も調べたいもので」

 ちぎれ飛んだ腕が見事につながっているが心配な宝蔵院は詳しく調べたいようだった。


「あのさあ、サマラの歓迎会をしましょうよ、()()()あなたは帰っていいわ、タウちゃん呼んで晴ちゃん」

「おいおいそりゃないだろう、俺も参加したいぞ」

「だってお料理がいるでしょ、あなたは旅館の改修に専念しなさい。パーティが終わったら呼んであげるわ」

 強くタマモに言われてしまった晴人はしぶしぶ晴明に言ってタウロと交代をした。

「呼ばれて飛び出てうほっうぼっ!」

「タウロ、新しい仲間のサマラの歓迎会開きたいからとびっきりの御馳走お願いするね」

「キュートなお嬢さんだす、タウロだ、よろしくだ」

「サマラよ、晴明から聞いてるわよ、好き嫌いはないから何でもお願いね」

「そうだタウロ、魚が一杯まだあるんだ。昨日はサマラにお寿司とズッパ・デ・ペッシェを振る舞ったんだ」

「そうだか、じゃあ何にするだべぁ」

 しばらく晴明の取り出した素材とにらめっこしていた。

「お寿司かいいなぁ私も食べたいわ。モモもどう久しぶりに和食なんて」

 晴海の件で百花は元気がなさそうであまり乗ってこなかったが

「あの子も好きだったじゃないか回転ずしに三人でよく行ったな。百花いただこうじゃないか」

 永清も妻を励ましたかったようだ。

「歓迎会の開始はナガクに戻てからにしましょう。食材を買い足して豪華になるように」

「そうね、晴ちゃん、私はタウちゃんとここのキッチンで下準備するからお風呂に入ってきなさい。ここのお風呂もいいわよ」

「あっそうだ、竜宮丸の行き先をナガクにセットしないと」

「晴明君が乗ってきたあの船ですね。僕もご一緒していいでしょうか。興味深いもので」

 晴明と宝蔵院は竜宮丸へ向かって行った。

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