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◆竜宮丸

 ナイト馬車は晴明にメダルの補給を受けながら百キロ以上のスピードで疾走している、しかしこんなおんぼろ馬車なのに乗り心地は快適であった。

「ちょっとナイト、このあたりで止めて」

「どうしたの何もないわよ」

 草原の真ん中で晴明はナイトを止めた。

「確かこのあたりのはずなんだけど、何もなくなっているな」

 晴明が辺りを探っていると花畑を見つけた。

「多分あそこだ、ナイト頼むよ」

 一面の花畑は何かの遺構ののようであった。

「ここになにがあるの?」

「お墓参りだよ。おじいちゃんとおばあちゃんの」

「どういうこと」

「母さんの生まれた村だったんだここは、一度来たことがあるんだ」

 晴明は探査を使って正確な場所を探り当てると式神を召還した、おなじみにモグちゃんたちだ。

「モグちゃん、頼むよここにお墓を作ってほしいんだ」

 式神はあちこちから石くれを集め塚のようなものを作り上げた。

「ありがとう、戻っていいよ」

 モグたちは元の紙切れに戻って行った。

「おじいちゃん、おばあちゃんそれとおじさん、おばさん達、長いことお参りにこれなくてごめんなさい。今度母さんと一緒に来るから」

 手を合わせて祈っていた。サマラも同じく手を合わせてくれた。

「お母さんの生まれ故郷って晴明もこの世界と縁があるのね」

「うん、今はこうして何もないように見えるこの土地だけど戦争の悲しい犠牲があったんだよ。でもここ誰か最近立ち寄った跡があるね不思議だな」

 おそらくはオオガミとヤーシャであろう。

 ナイトは山道を越えユートにたどり着いたのは夕方前であった。

「ナイト戻って」ナイトをメダルに戻すとユートの街を探索した。

 港まで来ると

「さて、どこかに船のドッグがあると思うんだけどな」

「晴明、あそこ!ドラゴノイドの紋章があるわ」

 海へ向かったドアにはその紋章が記されていた。

「この鍵はどうやって使えばいいのかしら」

 イーシャから渡されたカギを見つめるサマラ、鍵穴らしいものが見つからない。

「カギがかかってないよこの入口」

 ドッグの紋の横のドアを開く晴明、中へと入っていった。


「うあわ!大きな亀」サマラが声をあげた、神獣のヨダルほどの大きさの亀がドッグの中にあった。

「ほんとだ、僕の知り合いそっくりだけど」

 乗船用のハシゴがかかっていることに気が付いて二人は甲羅の上に上がると

「これじゃないかなサマラ、鍵を」

 鍵を受け取った晴明はその形の甲羅の穴にはめ込んだ。

 光があふれると大亀の中に吸い込まれていった。

 明かりがつくと操舵室のような場所に立っていた。

「どうやって操縦するのかな」

 あちこちをいじりまわす晴明、サマラは大きなパネルの前に手をついた。

 すると操作パネルのようなものが点灯した。

「ドラゴノイド、サマラ認証、竜宮丸起動します」

「しゃべったわよこのカメさん」

「竜宮丸、出航できる」

 晴明の問いに

「どちらまでですか」

「トルクメニストまでお願い」

「かしこまりました」

 竜宮丸の周りに注水が始まりドッグのドアが開いた。

「いいなこのギミック、僕と父さん好みだよ」

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