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◆付喪神ナイト

「どうでやすか乗り心地は、晴明の旦那」

「ナイト、しゃべり方変わってるよ。どうしたの」

「いや今の体しっくりくるでやす。こうなんか原点に戻ったというかなんというか」

 幌馬車の体を気にいってもらえたようだ。

「付喪神って何なの教えて」

「長い間大事に使われた道具には魂が宿って付喪神っていう妖怪みたいなものになるんだ。それを強制的にメダルを使って宿らして見たんだ」

「そうでやすよ、お姫様、物は大事に使わなくっちゃだめでやす」

 馬車の一部の木と皮で生成された引手のナイトが饒舌におしゃべりしている。

 そのあとも調子に乗ってずっとしゃべっている。

「バットリ、ナイトの話し相手になってやってよ。僕は(ジェイ)と少し話したいから」

「がってんでやんす」とナイトの横に飛んで行って話始めた。結構気が合うようで夢中に二人で話し始めた。

「ところで(ジェイ)さん、ドメルからどうやってミノトリアに向かうの」

「それはハルト隧道を抜ける定期バスが出ているので、それに乗れば半日ほどでたどり着けますよ」

「今度はバスかそういえば昔もバスでトンネルをくぐったんだった」

 アイテムボックスから昔、(キュウ)が撮ってくれた写真を取り出して

「昔々ドメルに行った時の写真だよ」

 サマラと(ジェイ)に見せた。

「これはクエンティン総裁ではありませんか、報告書は本当だったんですね。晴明さまは千年前のこの地にいらしてたんですね」

「聞いてないよ私」

 晴明はサマラにも過去の話をした。

「ふーん、晴明のお父様ってこの国を治めていたのすごいわね」

「ところでさあサマラのお母さん、アースラはどうしてエヴァ女王とわかれたの何か聞いている」

「そんなこと知るわけないじゃないのほかの世界に男の龍族がいるなんて今回初めて知ったのよ」

「そうなのか、二つの月が一つになるずっと前からそんなことになっているんだもんね。カグヤだったら何か知っているかもしれないけど」

「櫛を三つ買ったってことはそのカグヤにあげるのね。二股掛けてるの悪い(ひと)ね」

「そんなんじゃないよ。ただの友達だよ」タジタジする晴明

「私も加えてもらおうかな。晴明、頼れるし愛人でもいいよ」

「そんなバカなこと言わないでヨシュアと付き合えばいいよ」

「はあっヨシュア、もうどうでもいい感じなんだけど」

「いいわね。若いってことは、私も素敵な人見つからないかな。そう言えば晴明さまの仲間にクエンティン様に似た方がいるんでしょ。紹介してもらっていいかしら」

 晴明は困り無口になってしまった。

「晴明の旦那、ドメルはもすぐでやんすよ。支度をしてくださいよ」

 雨は上がりドメルへ到着しようとしていた。

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