◆拠点変更
「お腹いっぱい、少し運動しましょうか」
にやりと笑い、店を後にする二人、店の中にいた魔族の女が急いで後を追った。
店先で右へ左と見渡すが二人を見失い仕方なくしかたなく歩み始めた。
「私たちになにか用かしらねぇ」
女は声のする方を見た。屋根の上にタマモと百花が立っていた。
「ちっ」と舌打ちをして逃げようとする目の前にタマモがくるりと飛び降り道をふさぐ、ふりむくと百花が近づいてくる。女はメダルを取り出し吸収した。
「あら、あなた前に倒した。晴ちゃんなんて言ってたかしら、そうドドンパじゃない」
「タマモ、百々目鬼だ、相変わらずいい加減な覚え方だな」
と言いながら百花は狐火を放っていた。百々目鬼は大きく手を開いたかと思うとその無数にある目が飛び散った。タマモと百花は巧みによける。
「飛び道具!じゃあこっちも」
タマモは周りに転がる石を念動力で百々目鬼目がけて撃ち放った。あちらこちらに飛び散った百々目鬼の目はメダルとなりそして、オーガへ変化するとタマモと百花に襲いかかった。その隙に百々目鬼は離れていく。
「逃げちゃうよあいつ、オーガがうじゃうじゃ、何とかしてよ百花」
「こっちも手が一杯だ」
逃げる百々目鬼が立ちどまる
「あっハルト!どうしてここに」
晴人と、御堂、貴具がそこにいた。
「逃げられるとまたのぞき見されるんでな。御堂、貴具行け!」
御堂は何枚もの呪符を投げつけ百々目鬼を足止めし、貴具の棍棒による攻撃が始まった。
弱っていく百々目鬼に御堂がメダルを取り出す術を仕掛けようとした途端、大量のネズミが割って入ってきた。
「困るな、そいつは結構役に立つんだよ。逃げるぞ」
火車に乗った根角であった。百々目鬼をピックアップすると彼方へと走り去っていった。
「逃げられたか」
「晴人、ありがとうでもあの女、魔族に化けているけど前に捕まえたはずなんだけど警察にいるのよね」
「火車もそうだ。捕まっているはずだが、向こうに連絡を入れて置いておこう。とりあえずゴランの所へ戻るぞ」
「ドジルは帰ったぞ。一応仕様書は渡しておいたので一週間後に取りに来いだとよ」
ゴランはタマモと百花にギターの納期を教えた。
「ハルト、山猫軒があったんだよ。ゴランが経営しているの味は保証するわよ」
「へえそいつはいいなナガクの街にしばらく滞在するか、御堂、貴具、この鉱山で修業するぞ。それと向こうに確かめてみるか」
晴人は舎利弗に連絡しようとしたがこの街は圏外であった。
「仕方ないな、俺はミノトリアにいったん戻って残りのメンバーをこちらに呼んでくる。ゴラン、宿泊の手配頼んだぞ」
晴人は一人戻って行った。




