◆両親対面
ゴランの屋敷から出た晴人は
「そろそろ昼飯にするか。ゴランからおすすめを数軒聞いてきたぞ」
「どのような情報だったのでござったのでしょう。何か重要なものは」
御堂はゴランからの調査報告を気に掛けていた。
「飯を食いながら教えるよ。うまい蕎麦屋があるそうだ」
鉱山労働をする作業員たちの住む地区へと移動を始めた。するとタマモが
「ハルト!あの二人!モモよ」
晴人と共にその方向へ小走りに向かった。
近づてくる人影に身を構えた永晴、百花の方へタマモが飛びついていった。
「モモッチ!!!」
あっけにとられる百花は
「なぜタマモが、それにあなたはドーマハルト国王」
何が起こっているのか自分はいる時代を間違えたのか混乱している。
「君たち、百花を知っているようだが、何者だ」
「晴海ちゃんのお父さんですね。私は八雲晴人」
手を差し出して握手を求める。
「八雲・・・と言えば?うちの寺の近くのあの旅館のものか」
永清も訳が分からずただ握手を返した。
「詳しい話は飯を食いながら話そう。いい蕎麦屋があるようだ」
水車小屋のあるその蕎麦屋は粉もここで石臼で引いているようだった。
「私たち結婚したんだよ」
晴人の腕に抱き着くタマモ
「それはよかったな。ずっと想い人だったからね。それよりなぜこの時代にタマモ」
「話すとややこしいんだけど、みんなと別れた後、ハルトを追っかけて平安時代に行ったの、そこでの戦いで石化されて千六百年たって現代の旅館で働いてたら、出会ったのがそこの主人で転生する前のハルトだったの、もちろんそんなことに気が付かずに恋をして結婚した後にいろんな事件に巻き込まれて晴人が転生したときの記憶を取り戻してそこからはもうさらにラブラブよ」
「恋に落ちったって、まったく・・・でも国王が転生者だったとは」
「そう言うわけだ。でもどうしてモモはそんな体になったんだ」
「それより晴海のことを知っているみたいだけどあの子はどうしたの」
「そうだ、晴海はどうしてこの世界に来ているんだ」
「永晴さん、おれとこのタマモの間に一人息子の晴明がいるんだがおたくの晴海ちゃんとお付き合いをさせてもらっているんだが、彼女の両親がここにいるとわかって晴明は一緒に探しに行こうと」
永清の表情がみるみる怒りの表情へと変わっていく
「そんなバカなこと許さんぞ!連れてこいその晴明を一発殴ってやる」
「まあまあ、あなた晴海も年頃よ。恋だってするわよ。でもタマモ紹介してよ」
「それが晴ちゃん、教団につかまったみーちゃんを助けるために異次元ゲートの中で道をはずして追っかけて行ったの」
晴人が先に注文した酒と出汁巻きと蒲鉾が運ばれてきた。
「まあ、永晴さん、一杯飲んで落ち着いて、俺も一人娘となったこいつに近づいてくるやつらを殴り飛ばしていたよ」
タマモに手に持った徳利を向けてそう言った。
「あら、せっかく仲良くなったお友達が逃げていったのはそういうことだったの、あなたったら」
タマモが笑いながらすり寄っていく。
「それよりなぜ晴海はあんな状態に説明してくれ」
晴人は教団との戦いに巻き込まれた晴海と自分たちのことを話した。
「というわけだ。あなたたちに会いたいがためのことだ。その辺は察してやってくれ」
「あなた、せっかく巻き込まないようにしたかったのに」
百花は泣いてしまった。
「泣くな百花」
コップ酒を一気に飲み干した。




