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◆貴具の謎

「天鼓君、困った事案が起こった、至急舎利弗(とどろき)本部長に連絡して貴具のそちらでの動向を調査してもらいたい。我々より先にこの異世界へ来ていたみたいなんだ」

「ほんとですか晴明君のお父さん!僕も初耳です。急いで調べてみます」

「ハルト国王、こちらでの調査結果をお見せしましょう」

「国王はやめてくれハルトで頼むよ。それで貴具は何をしていたんだ」

「どうもこれを集めていたようなんです」

 妖怪メダルを差し出すゴラン

「何か別の利用法でもあるのか、さっぱり意図が見えない。とりあえずこの件はあいつに伝えずに泳がせておこう」


「ザグレット様、あの裏切り者の夫婦が見つかりました」

「よし、リリムよ。鉄鼠と共に優曇華(うどんげ)の実を取り戻してこい」

「かしこまりました」

 晴海であったメリムはザグレットにかしづき鉄鼠と共に黒い飛行船へと向かって行った。

 メリムはゴスロリ姿の戦闘服であったが錫杖(しゃくじょう)を持っているのだが様子がおかしい。変身後は戦闘服の取説バットリがいない、しかも戦闘鬼に変化する遊環(ゆかん)もなくなっていた。


 マナーコから疾走する一匹の馬、騎乗するのは晴海の両親、永晴(えいせい)百花(ももか)|、空からやってくる黒い飛行船に気が付いた。

「あれは教団の飛行船、逃げるぞ」

 馬に鞭打ちスピードを上げる。

 行く手を飛行船からの爆雷が襲う、脅えた馬は立ち止まってしまった。高度を低くした飛行船から二人が飛び降りてきた。

 永清たちも馬から降りる。

「アスタロトの使いか、道を開けろ、痛い目に会いたいのか」

「ふふっ、わたしは根角(ねすみ)蓬萊(ほうらい)の玉の枝を大人しく渡してもらおうか」

 メダルを体内に取り込み鉄鼠と変化した。


 百花の方へと手を突き出して銃を受け取ろうとする永晴だが百花は鉄鼠のうしろにいる娘に気を取られている。

「あなた、あれは晴海よ」

 鉄鼠に向かって駆けだしていったがリリムに錫杖で吹き飛ばされてしまう。

「よくやったリリム、その調子だ」

 倒れている百花を助け起こした永晴

「あれが晴海だって、こんなところにいるはずがない!百花しっかりしろ」

 メリムが二人の前に進み出て錫杖を突き付け

「早く渡すんだ。今すぐに」

「この声間違いないわよ貴方」

「確かに大きくなっているが晴海だ。奴ら何をしたんだ」

 リリムは一切、表情を変えずにじっと見つめている。

「だめだ百花、逃げよう。理由はわからないが戦うわけにはいかない」

「でも、そこに晴海がいるのよ」

「つべこべ言わずに早く」

 唇をかみしめる百花は


あまとぶや

かりのゆくさきしめしけれ

かのちめざしてとぶらう


転送(インヴィーア)


「逃げたか。リリム帰るぞ。奴らにはお前という武器がある。いつでも何とかなる」

 飛行船へと戻るのであった。


「あなたどうしてなぜ・・・晴海が奴らと一緒に居るの」

 涙を流す百花

「わからん、取り戻すぞ!ここはどこだ」

 あたりを見回す永晴、そこに晴人たちが歩いてきた。

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