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◆白鳥デビュー

「この鉱山、よくよくオーガと縁があるな」

 鉱山の入り口に立つ晴人はその昔オオガミの打った三文芝居のことを思い出し薄笑いを浮かべていた。

「なにニヤニヤしてるのよ。緊張感ないわよねハルト」

「いやちょっと昔を思い出していたんだよ。しかしずいぶん深く掘り進めて複雑になっちまってるな」

 管理小屋でもらった鉱山の内部図を見て言った。

「ハルト、作戦はあるのか、まあノープランだろうけど。一つ俺に任せてくれよ。異世界チュートリアルだ」

「ミッチーいいよ俺は、カグヤとヨシュアがサポートしてくれ。俺たちはうしろで見物させてもらうぜ」

「あなた、ちょっと手を抜き過ぎてない」

「新しい浴室の配管レイアウトに問題が出ているんだよ。ちょっと楽させてくれよ。おまえも晴明のことで頭が一杯一杯なんだろ」

「そうね。ミッチーたちに任せておきましょう」

「まったくお前たち夫婦はのんきだな。言ったはいいが緊張していたんだ、ありがとう気が楽になったよ」

「白鳥の腕前は先ほどのヤーシャとの手合わせでわかっている。ヨシュアが頑張れば問題ない」

「カグヤちゃん、もっと気安くミッチーと呼んでくれよ」

 カグヤはくるりと向きを変えて聞いてくれているのかどうか、お人形のような表情を崩さずに炭鉱へ入っていった。


 炭鉱深層部までやってきたが

「どこにオーガがいるんだ。姿を全然見せないじゃないか」

「ミッチー囲まれているぜ。ヨシュア後ろの敵を迎え撃て」

 いつの間にか気配を消したオーガたちが周りにうようよと控えていた。

 グズグズしているヨシュアの尻をけ飛ばす晴人、その蹴りにはバフをかけてヨシュアの攻撃力をあげていた。

 夢中で槍をつきまくるヨシュア、先頭のオーガを穴だらけにしながらも攻撃をやめない。

「おい、そいつはもう倒れているよ。次々」

 少し落ち着きを取り戻し次々とオーガを倒していった。

 前方のオーガは新しい槍で白鳥が一撃で倒していく、そしてどんどん奥へと進んでいった。

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