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◎メインキャスト不在

「晴明君、卦で占うことは可能ですか」

「あまり期待しないで要素が少なすぎるから」

 と言うと卦のウィンドウを開き始めた。首をかしげる晴明

「どうもこちらの世界にいないことは確かだけど・・・」

「やはり向こうの世界に連れ去られたのか。さっそく探査班を組んで向かわなくては」

 舎利弗(とどろき)が言うが

「父さんからの伝言だけど舎利弗さんたちはこちらに残って捜査をしてほしいって。晴海たちの捜索は僕らに任せてね」

「すまん、すっかり動転していた。こんな時こそ後ろで支えないと、しかし肝心の久遠くんがいないとは」

「それはオオガミさんをこちらに残すようにとも言ってたよ。探偵さんが活躍することだって」

「俺は異世界に行かなくていいのか本当に」

 オオガミは問い返した。

「僕とカグヤ、それと母さんがいれば問題ないって、満月になればオオガミの出番だって」

 確かに今の状態のオオガミは普通の人と変わらない。

「天鼓君こっちの世界と向こうの世界の通信手段って確保できる」

「それは考えがあるので今から用意します。二時間ほど待ってもらえます」

「白鳥先生、時間つぶしに少し修行してみようか。ヤーシャさん、お相手をお願いします。団長さん、槍を用意できる」


 白鳥とヤーシャの組み稽古が始まった。

 手慣れた手つきで軽足から渡された槍を振り回す白鳥

「なかなかあるようだな。魔法も使っていいぞ」

 何も説明してないはずなのにヤーシャは直感で白鳥の能力を分析していた。

「それではお願いしようかな」

 先ほどまで振り回していた槍の切っ先をヤーシャに向けてピタリと止めた。

 二人の組み稽古を見ていた軽足は

「恋愛小説家の先生だって、いっぱしのソルジャーだよ。本当かい」

 ひとしきり感心していた。


「晴明、あてはあるのか。晴海たちの行方について」

「罠だとはわかっているけど、ハルトの街に向かえば必ず教団の妨害がるはずだから、それに乗っかって見ようと思うんだ」

「ふうむ、彼女の両親も次のアーティファクトを狙っているかもしれんしな」

「えっ、カグヤ、次の狙いわかっているの」

「晴人の街の宝物庫に火鼠の裘、仏の御石の鉢、龍の首の珠、燕の産んだ子安貝が奉納されているはずだから」

「それもしかしたらこちらの世界にあるかもしれませんよ。逸話を調べましたから」

「天鼓、本当かそれなら水無瀬夫妻が集め終わっているかもしれないな」

「いや、それらを集め終わってるならダンジョンに向かっているかもしれないよ」

「晴明君確かにそうだ。目的を果たそうとしているのかもしれない。通信手段の確保は終わりました。携帯が通じるようにしました」

「ありがとう天鼓君、白鳥先生、そろそろ行きますよ」

「いい汗をかかせてもらった。しかしヤーシャさんは強いな。全然かなわないよ」

「晴ちゃん、ハルト呼んでよ」

 晴明はオーディンの馬に晴人のメダルを使いダッシュワンハルトを召還して現状を説明した。

「よし、大体は把握した。ミッチーあまり無理はするなよ。晴明、タマモ、そしてカグヤとヨシュア!行くぞ」

 トンネルゲートに飛び込んだ。


 異世界へと向かう通路は次元の狭間を縫うように流れている。

「あっ!晴海だ!!」

 晴明が別の通路を通っている晴海に気が付くやいなや。その通路を飛び出しってあとを追って行った。

「晴明!だめだ、戻れ、元に戻れなくなるぞ」

 カグヤの叫ぶ声も聞かずに進んでいくと晴海も晴明も見えなくなってしまった。

「晴ちゃん・・・・」

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