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◎再チャレンジの準備

 神官ハウルは(エル)に任せて、ハルト焼きを食べ終わったメンバーたちはカグヤの新たに作った第二ゲートから宝蔵院の研究所に戻ってきた。

「新学期早々学校休んじゃったわね」

 突然のカグヤの失踪で晴明と晴海は中学の始業式に行けなかったのである。

「私のせいで不便をかけたようだな」

 舎利弗から離れて宝蔵院が小さな声で

「晴明君のお父さんとお母さん、それと晴海さん、僕から提案があるんですか」

 宝蔵院が晴明の両親と晴海に話を持ち掛けた。

「なんだろうね。天鼓君、学校に関しての話だと思うがどうかな」

「さすが勘が鋭いですね。じつはアメリカに僕が経営するハイスクールがあるんです。そこに二人が留学したということにすればしばらく異世界へ行っていても大丈夫だと思うんです」

「天鼓ちゃん、それはいいけど本当の勉強はどうするの高校受験が迫っているのよ」

「それは天鼓君がいるから大丈夫ですよ。お母さん、とっても教え上手なんですよ。すっごっく成績上がったんです」

「父さん、いいんじゃない晴ちゃんの成績も上がるんだったら」

「本当に天鼓君はすごいな。学校まで経営しているとはお金儲けのコツを教えてもらいたいよ」

「団長さん、使い方がわからないうちにどんどん増えちゃって、なるべく公益性の高い事業に振り分けてるうちにこんなことになったんだよ」

「いいことね。天鼓君、留学手続きお願いね」

「一応、舎利弗本部長にも了解をもらっておこう。違法なのはわかっているが目をつぶってもらうか」

 晴人は舎利弗に宝蔵院の提案を打ち明けた。

「仕方ないな。その提案に従おうでも秘密裏にだぞ」

「よし準備を整えて、次の週末再び異世界に向かうとします。こちらの世界での御堂と貴具の身辺調査を念入りにお願いします。天鼓君はこちらとあちらの世界で自由に通信できる手段を開発をお願いしていいかな」

「わかりました、考えがあります。カグヤさん協力をお願いします」

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