表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
220/708

◆第二ゲート

 晴人はヘイ・オン・ワイにやってきてから並んでいる古書に目が釘付けである。

「もう、あなた本は買わないわよ。先にこっちへいらっしゃいよ」

 タマモがやってきて晴人を呼びに来た。

「団長とヤーシャを呼んできました」

 リリと宝蔵院は再び公園に向かい戻ってきた。

「晴人君、話は天から聞いたよ。俺たちは強制送還らしいな」

「送還だなんて、後方支援をお願いしたいということだよ。取り違えないでくれ」

「こんな楽しそうなところ、興行をして回りたいよ。さっきも弟子になりてなんて言い出す亜人もいてよ。わしだけでも残してここでサーカスをやらせてもらえないだろうかな」

 軽足はサーカス団をやめ退屈な日々、異世界生活に心残りがあるようだ。

「軽足さん、私もこの世界で冒険がしてみたが御堂、貴具が離脱してなんともならんのだよ」

「わかったよ舎利弗の旦那、名残惜しいが八雲の父ちゃんが平和な世界を取り戻してくれたら今度はこの世界でサーカス団を作ってやるぜ」

「さてと、カグヤさんこの場所にゲートを開いてもらえるか」

「わかりました。本部長、第二の拠点にするのですね」

ゲート作成にカグヤは壁に魔法陣を描き舞っていた。

 各種の印を複雑に指先で操り組み、聞いたこともない言葉で(みことのり)と思しき物を発した。壁が揺らぎ始め渦を巻いた異様な状態へとなっていた。

「ほう、そんな方法でゲートを開くのか、覚えさせてもらったよ」

「父さん、ハウルさんの様子がおかしいよ」

 ハルトの街の神官、ハウルが苦しみだしていた。

「わかるかカグヤどうなっているか」

「晴人、呪いだ、解呪してみる」

 カグヤがまた舞を踊る。彼女は舞うことによって能力を発揮するようだ。

 見る間にハウルの容態が回復していく。

「どうだったんだ。彼は」

「お腹を下す呪いのようだ。死ぬことはない」

「なんですって、その呪い!貴具が使ったのじゃない」

「晴海、どういうこと」

「あいつが得意とする呪術なのよ」

 晴海、晴明が言い合っていた。

「でも、彼がこの人に接触するチャンスなんてないでしょう。(かい)にはなってませんよ」

「天鼓君、あいつがやったのよ!」

「晴海ちゃん、熱くならないで感情的な思考はすべてを曇らせるよ」

「晴明君のお父さんの言うとおりだよ。論理的に考えましょう」

 晴人、宝蔵院になだめられた晴海であった。

「しばらく療養が必要だろう。この男には」

 カグヤの見解に晴人は

「いったん元の世界にみんなで戻るか」

「そうですな、体制を研究所で話し合いましょう」

「舎利弗さん、その前にせっかくミノトリアルにいるんだから、ハルト焼き食べてから帰ろうよ」

「晴ちゃん、ハルト焼きって?」

「父さんの名前がついたすき焼のことだよ」

「すき焼?」

「そう、昔この街で父さんたちが作った料理がここの名物になったんだよ」

「ふーん、面白いじゃん、食べて帰って、私は晴人にヤキを入れちゃおうかな。ちょっと痩せたからって言って色目を使うし」

「おい、タマモ誤解だよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング

↑「多くの方に読んでもらいたいです。勝手にランキングに参加していますので面白いと思ったらクリックしてもらえると嬉しく思います」

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ