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◆御堂と貴具

「師匠、しばらく別行動で聞き込みをしませんか」

「何だ(すぐる)、わしと行動をするのが嫌なのか仕方がない。一時間後にそこの縄のれんのある店で落ち合おう」

 タマモ、晴明が中にいる立ち飲み屋を指さして、御堂、貴具の子弟コンビは別捜査を始めた。

 貴具の意図はわからないまま一時間が過ぎていた。

「じゃまするよ」

 縄暖簾をくぐった貴具だったがどうやら先についたようであった。

「いらっしゃい!?あらまあ、今度こそ人族のお客さんかい?」

「!?今度こそって、言っとくが俺はハルトの街から来たんじゃないぞ。東のドラゴニアから来たんだよ」

「知らないね。マナーコの先から来たのかい。何を呑むんだい」

「スコッチを一杯ってないだろうな。強い酒が欲しいなショットで」

「わけのわからないことを言うね。強い酒ならこれはどうだい」

 小さいグラスに並々と注がれた透明の酒を勧められた。貴具は一口含むと

「おっとグラッパじゃないか!いいね」

 グラッパはブドウの搾りかすを発酵させた蒸留酒である。

「あんたいける口と見たわ。肴はこれでいいかな」

 モツの味噌煮込みを突き出された。

「師匠もいい店を選んでくれたもんだ。ところで今度こそってどういう意味だ」

「いやね、さっき帰った子供が人族と思って聞いてみたらお狐さんだったのよ」

 タマモと晴明が先にこの店にいたと思った貴具は

「なんかその親子に教えなかったかい」

「あんたよくわかったね。私の息子の所へ行ったよ二人は」

「?あんたの息子さんの所へだって、どういうことかな」

「いやねうちの息子はドメル自由区(マーケット)へ行商へ行っていると言ったら話を聞きたいってさ」

「ドメル自由区?ハルトの街に関係ある場所なのか」

「トンネル越えて人族以外でもハルトの街と交流できる場所だよ」

「待たせたようだな(すぐる)

 時間ちょうどに御堂はやって来た。

「私も今来たところです、それよりタマモ晴明親子が何かつかんだようですよ」

「俺も面白いうわさ話を聞いてな。ハルトの街のパラディンたちが逃げた人族を探しているらしい」

「お連れさん、いらっしゃい、その話は私がその親子に言ったことよ」

「先を越されたようですね師匠」

 にやりと笑う貴具

「ところで侃、お前はなにか掴んだのか」

 もったいぶったような顔をしながらカウンターにそれを置いた。

「メダルじゃないか、これをどこで」

 人を妖怪化させる教団のアイテムである。

「この街に来てから感じてたんだよ。メダルホルダーたちをそれを何人か狩ってきました師匠」

「まったくお前ってやるは・・・」

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